校門の前にはお決まりの「入学式」と書かれた立て看板が出ていて、そこで写真を撮るための列ができている。通り過ぎようとしたら、母親たちに腕をつかまって強制的に並ぶ羽目になった。
順番が回ってきて、母親二人が向けるカメラになんとなくでピースをする。笑えと怒られるが、こんな所ではしゃぐのもなんだか恥ずかしい。
「あの人かっこよくない?」
「え、どれどれ??」
俺と同じく新入生であろう女子が何か言っている。思わずそちらを向けば、かっこいいと話題にされているのは我が幼馴染であった。
早速かよ。
愛弥がモテるなんて話は、俺にとっては今更である。顔が整っているうえに、落ち着いているから小学生の時なんかは、「ほかの男子とは違う!」なんて言われていたっけ。
正面からアプローチしていく女子たちを羨んだこともあったけれど、最早女子に囲まれる想い人の姿を見ることも慣れてしまった。
そんなにモテる我が幼馴染だが、今まで彼女がいるという話は聞いたことがない。
恋愛に興味がないのか、今はいらないのか、作らない理由は不明なままだ。直接聞く勇気もない。
校舎に入る前にクラス表を確認するらしく、そちらへ向かえば、こちらも人だかりができていた。
……見えない。
いや、別に今日はたまたま調子が悪かっただけだし。
普段はもっと背高いし。
しかし、見えないことにはどうにもならない。背に腹は代えられない。
「名前あった?」
「おう。俺4組だったわ」
「俺は?」
話の流れで聞けば、愛弥はじーっとこちらを見た後にクラス表に視線を戻した。
見えないのか、とか思ったんだろ。どうせ。何考えてるかなんとなく分かるからこそ、何も言われないのが余計にムカつく。
「あー……、1組だな」
クソ、クラス離れた。
「ありがとう」
「今日って最初から体育館で合ってるか?」
「そう。その後に各教室でガイダンスがある」
「あー、じゃあ体育館行くか」
両親に何組だったかを報告し、案内板に従って体育館へと進む。
着席がクラスごとだったので、そこで愛弥と別れた。
さて、問題はここからだ。
同じ中学のやつがいないわけでもないが、圧倒的に少ない。
新しく友達を作るのは必須課題だ。
気の合うやつがいることを願うしかない。
入学式を終え、クラスごとに教室へと案内された。
入学式内で紹介された担任は、若い男性の教員だった。元気で明るい若々しさの溢れる声で、簡単なガイダンスを始めた。俺の方が若いのに、俺より元気だしエネルギッシュだな、この担任。
担任の話を聞き流しながら、前の席のやつを観察する。
目の前に座る男子生徒は、自分よりもだいぶ座高が低い。ぶかぶかの制服を着ているため、分かりにくいのだが、かなり華奢に見える。男子にしては長いふわふわのくせ毛を雑に後ろでまとめているそのシルエットは、パッと見た時に女子かと見間違えたのだが、着用している制服が男子用だ。
右隣を見ると、髪が長いうえに俯いていて顔が全く見えない男子生徒。見るからに暗そうだ。
いやいや、決めつけるのはよくない。案外話せる奴かもしれないし、タイミングがあったら話しかけてみよう。
クラス全体を見渡すと、中々派手な格好をしている奴も多い。さすが、自由な校風が売りなだけある。
まあ、肩より長い髪をした自分が言えたことではないけれど。
これから1年間、クラスメイトとして過ごす級友たちの姿を眺めていたら説明が終わったらしく、その日は解散となった。
順番が回ってきて、母親二人が向けるカメラになんとなくでピースをする。笑えと怒られるが、こんな所ではしゃぐのもなんだか恥ずかしい。
「あの人かっこよくない?」
「え、どれどれ??」
俺と同じく新入生であろう女子が何か言っている。思わずそちらを向けば、かっこいいと話題にされているのは我が幼馴染であった。
早速かよ。
愛弥がモテるなんて話は、俺にとっては今更である。顔が整っているうえに、落ち着いているから小学生の時なんかは、「ほかの男子とは違う!」なんて言われていたっけ。
正面からアプローチしていく女子たちを羨んだこともあったけれど、最早女子に囲まれる想い人の姿を見ることも慣れてしまった。
そんなにモテる我が幼馴染だが、今まで彼女がいるという話は聞いたことがない。
恋愛に興味がないのか、今はいらないのか、作らない理由は不明なままだ。直接聞く勇気もない。
校舎に入る前にクラス表を確認するらしく、そちらへ向かえば、こちらも人だかりができていた。
……見えない。
いや、別に今日はたまたま調子が悪かっただけだし。
普段はもっと背高いし。
しかし、見えないことにはどうにもならない。背に腹は代えられない。
「名前あった?」
「おう。俺4組だったわ」
「俺は?」
話の流れで聞けば、愛弥はじーっとこちらを見た後にクラス表に視線を戻した。
見えないのか、とか思ったんだろ。どうせ。何考えてるかなんとなく分かるからこそ、何も言われないのが余計にムカつく。
「あー……、1組だな」
クソ、クラス離れた。
「ありがとう」
「今日って最初から体育館で合ってるか?」
「そう。その後に各教室でガイダンスがある」
「あー、じゃあ体育館行くか」
両親に何組だったかを報告し、案内板に従って体育館へと進む。
着席がクラスごとだったので、そこで愛弥と別れた。
さて、問題はここからだ。
同じ中学のやつがいないわけでもないが、圧倒的に少ない。
新しく友達を作るのは必須課題だ。
気の合うやつがいることを願うしかない。
入学式を終え、クラスごとに教室へと案内された。
入学式内で紹介された担任は、若い男性の教員だった。元気で明るい若々しさの溢れる声で、簡単なガイダンスを始めた。俺の方が若いのに、俺より元気だしエネルギッシュだな、この担任。
担任の話を聞き流しながら、前の席のやつを観察する。
目の前に座る男子生徒は、自分よりもだいぶ座高が低い。ぶかぶかの制服を着ているため、分かりにくいのだが、かなり華奢に見える。男子にしては長いふわふわのくせ毛を雑に後ろでまとめているそのシルエットは、パッと見た時に女子かと見間違えたのだが、着用している制服が男子用だ。
右隣を見ると、髪が長いうえに俯いていて顔が全く見えない男子生徒。見るからに暗そうだ。
いやいや、決めつけるのはよくない。案外話せる奴かもしれないし、タイミングがあったら話しかけてみよう。
クラス全体を見渡すと、中々派手な格好をしている奴も多い。さすが、自由な校風が売りなだけある。
まあ、肩より長い髪をした自分が言えたことではないけれど。
これから1年間、クラスメイトとして過ごす級友たちの姿を眺めていたら説明が終わったらしく、その日は解散となった。
