┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
⚠️R15強
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
表紙のチーターが
俺を嘲笑っている。

そうだよ。
俺は、
欲に勝てない。
いや、
勝つ気すらないんだ。
再会?
友情?
今の関係?
――そんなもの、知らない。
俺の両頬に添えられた手。
心配そうに
覗き込む流の瞳。
それすら
体の奥が
ヒリヒリと、
ジンジンと、
悦びに
うち震えるんだ。
そろっと手を伸ばし、
流の両手首を
強く握る。
――逃がさない。
「……おい。慧?」
流が驚いている。
その瞳を捉えながら、
ゆっくりと
乗りかかる。
――捕らえた。
「ちょっ……
お前、どうしたんだよ。」
今更、聞くなよ。
お前は
隙だらけなんだよ。
不用意に
俺に触れるから――
目線を絡ませたまま、
流の指の関節に
すー……っと
唇を当てる。
そのまま、
手首へ滑らせる。
ツツ……ッ
小さく脈打つ手首。
脈に合わせて――
キスなのか。
甘噛みなのか。
腕へと――。
まるで
連れられてるみたいに
指先を、這わせる。
すぃ……っ……
流の肩が
わずかに強張る。
「……おい。
……お前、正気か?」
“至って正気だ――。”
目だけで返事する。
身体の奥底から、
沸きあがる熱。
突き抜ける?
――まだだ。

俺の熱は
そんな簡単に冷めないよ。
やっと、捕らえたんだ。
「……っ!やめろって!
離……せっ!この馬鹿力!」
「やめないよ。」
振り払おうとする力に
めいっぱい抗う。
流の眉が寄る。
険しい流の顔。
そこから、
低い声が落ちてくる。
「慣れてる感じが嫌なんだよ。」
「――え?」
「俺は、
こういうのはやらない。
――他を当たれよ。」
流が
俺を一瞥する。
冷たい目だ。
何て言った?
――慣れてる?
俺の唇から
小さくこぼれる。
「……慣れてないよ?」
首を振る。
「俺、ずっと触りたかった。
いつもそう思って
見てたんだ……
だから、そうしてるだけ。」
「ずっと?」
「そう。ずーっと。
――昔からね。」
何か言いたげな流の唇。
でも
聞こえるのは、
静けさの音だ。
どっちが見つめてるのか
わからない。
お互いが
目線を絡ませ
離さない――。
流の目が
微かに
ゆらりと光る。
――次の瞬間、
流が
俺の体を抱えるように
動いた。
「えっ!……ちょっと……待って。」
油断した!
体勢が入れ替わる!
――嫌だ。
――離れたくない。
甘噛みしただけじゃないか。
「くっ!!やめろよ!!」
脚をばたつかせる。
流の肩、
背中、
頭、
触れる温かさ全部に
手のひらを押し付ける。
俺の、
渾身の脚。
手。
全身の抵抗。
その全てを、
流の指が
確実に捕まえる。
ググッ……
パタッ。
あぁ……制圧された。
流の大きな手には
かなわなかった。
「はぁっ……はぁ……くそっ!」
俺は、観念して脱力した。
天井を見つめる。
終わった――。
目の端から、
熱い雫が
とめどなく流れ落ちている。
なんでこんなものが
流れているのか。
目の前が霞む。
気づけば
流が、
覆いかぶさっている。
俺の首元に
ふわふわの黒髪が触れる。
ギュゥ……
締め付けるように
抱きしめられる。
壊れていく。
束の間の友情。
なんて、あっけないんだろう。
楽しかったのに。
毎日がキラキラしたんだ。
それを、
俺が壊したんだ……。
天井を見ながら叫ぶ。
「何してるんだよ、笑えよ。
お前、変態かよって笑え。」
叫んだのに、
上擦った震えた声しか出ない。
なんだ、この声は。
これこそ笑えるだろ。
笑えよ。
なのに、
流は
俺を抱き込んだまま
――動かない。
ただ、
ギュッと締め付けている。
息って。
どうやってするんだっけ。
「はぁ……はっ……はっ……」
苦しい――。
指先が、
冷たく痺れてくる。
「はっ、はっ、はっ……
っ……流……なんか、変だ……」
流が
顔を上げ、俺を見る。
俺を抱き込んでいた腕が
緩む。
左腕で、
優しく抱きしめたまま
肩、
背中、
後頭部、
空いた手でゆっくりと
さするように撫でる。
「落ち着け。
わかったよ。わかったから。
――ゆっくり、息しろ。」
「はっ、はっ、はっ……
なん、か、涙っ、出てるっ……」
「うん、安心しろ。大丈夫。
俺が撫でてるの分かるか?
合わせてみろ……ゆっくりだ。」
「はぁぁ……すぅっ……」
「そう……。上手だ……。」
グイッ
強くない。
優しくもない。
重厚で確かな引き寄せ。
額に、
やわらかな熱が
転写された――。

―――――
(キーボードを弾く音)
カチャカチャ……
カチャッ……カチャカチャ……
タン……
『表紙のチーターが、
こちらを見ている。
微々たる嘲笑みを
瞳に棲まわせて。
ああ。
そうだ。
俺は、獲物を前にして、
理性を保てるほど
スマートじゃない。
いや――
そうでありたいとも、思わない。
友情。
今の関係。
そんな言葉を並べて、
距離を守ろうとしたことも
あった。
でも、
目の前にいる彼の体温は、
そんなハリボテを
簡単に壊してくる。
彼の瞳が揺れる。
止めようとしている。
俺を、元に戻そうとしている。
それすら、
――胸の奥を悦ばせる。
これが、俺の本性なんだ。
元に戻るわけないだろう。
熱が、ゆっくりと広がる。
触れてしまえば、
戻れないかもしれない。
けれど。
触れなければ、
このまま何も起きずに、
過ぎていく。
それが、怖かった。
ずっと、見ていた。
まだ無垢な頃から。
恋も愛も知らなかった
あの頃から
ずっとだ。
無造作な髪。
絵の具に染まった指先。
近づいても、離れても、
変わらない背中。
その全部に、触れたかった。
逃げられる前に、
捕まえてしまいたい。
噛んで、噛んで、
跡を残したいんだ――。
俺は、
お前の優しさに、つけ込んだんだ。』
⚠️R15強
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表紙のチーターが
俺を嘲笑っている。

そうだよ。
俺は、
欲に勝てない。
いや、
勝つ気すらないんだ。
再会?
友情?
今の関係?
――そんなもの、知らない。
俺の両頬に添えられた手。
心配そうに
覗き込む流の瞳。
それすら
体の奥が
ヒリヒリと、
ジンジンと、
悦びに
うち震えるんだ。
そろっと手を伸ばし、
流の両手首を
強く握る。
――逃がさない。
「……おい。慧?」
流が驚いている。
その瞳を捉えながら、
ゆっくりと
乗りかかる。
――捕らえた。
「ちょっ……
お前、どうしたんだよ。」
今更、聞くなよ。
お前は
隙だらけなんだよ。
不用意に
俺に触れるから――
目線を絡ませたまま、
流の指の関節に
すー……っと
唇を当てる。
そのまま、
手首へ滑らせる。
ツツ……ッ
小さく脈打つ手首。
脈に合わせて――
キスなのか。
甘噛みなのか。
腕へと――。
まるで
連れられてるみたいに
指先を、這わせる。
すぃ……っ……
流の肩が
わずかに強張る。
「……おい。
……お前、正気か?」
“至って正気だ――。”
目だけで返事する。
身体の奥底から、
沸きあがる熱。
突き抜ける?
――まだだ。

俺の熱は
そんな簡単に冷めないよ。
やっと、捕らえたんだ。
「……っ!やめろって!
離……せっ!この馬鹿力!」
「やめないよ。」
振り払おうとする力に
めいっぱい抗う。
流の眉が寄る。
険しい流の顔。
そこから、
低い声が落ちてくる。
「慣れてる感じが嫌なんだよ。」
「――え?」
「俺は、
こういうのはやらない。
――他を当たれよ。」
流が
俺を一瞥する。
冷たい目だ。
何て言った?
――慣れてる?
俺の唇から
小さくこぼれる。
「……慣れてないよ?」
首を振る。
「俺、ずっと触りたかった。
いつもそう思って
見てたんだ……
だから、そうしてるだけ。」
「ずっと?」
「そう。ずーっと。
――昔からね。」
何か言いたげな流の唇。
でも
聞こえるのは、
静けさの音だ。
どっちが見つめてるのか
わからない。
お互いが
目線を絡ませ
離さない――。
流の目が
微かに
ゆらりと光る。
――次の瞬間、
流が
俺の体を抱えるように
動いた。
「えっ!……ちょっと……待って。」
油断した!
体勢が入れ替わる!
――嫌だ。
――離れたくない。
甘噛みしただけじゃないか。
「くっ!!やめろよ!!」
脚をばたつかせる。
流の肩、
背中、
頭、
触れる温かさ全部に
手のひらを押し付ける。
俺の、
渾身の脚。
手。
全身の抵抗。
その全てを、
流の指が
確実に捕まえる。
ググッ……
パタッ。
あぁ……制圧された。
流の大きな手には
かなわなかった。
「はぁっ……はぁ……くそっ!」
俺は、観念して脱力した。
天井を見つめる。
終わった――。
目の端から、
熱い雫が
とめどなく流れ落ちている。
なんでこんなものが
流れているのか。
目の前が霞む。
気づけば
流が、
覆いかぶさっている。
俺の首元に
ふわふわの黒髪が触れる。
ギュゥ……
締め付けるように
抱きしめられる。
壊れていく。
束の間の友情。
なんて、あっけないんだろう。
楽しかったのに。
毎日がキラキラしたんだ。
それを、
俺が壊したんだ……。
天井を見ながら叫ぶ。
「何してるんだよ、笑えよ。
お前、変態かよって笑え。」
叫んだのに、
上擦った震えた声しか出ない。
なんだ、この声は。
これこそ笑えるだろ。
笑えよ。
なのに、
流は
俺を抱き込んだまま
――動かない。
ただ、
ギュッと締め付けている。
息って。
どうやってするんだっけ。
「はぁ……はっ……はっ……」
苦しい――。
指先が、
冷たく痺れてくる。
「はっ、はっ、はっ……
っ……流……なんか、変だ……」
流が
顔を上げ、俺を見る。
俺を抱き込んでいた腕が
緩む。
左腕で、
優しく抱きしめたまま
肩、
背中、
後頭部、
空いた手でゆっくりと
さするように撫でる。
「落ち着け。
わかったよ。わかったから。
――ゆっくり、息しろ。」
「はっ、はっ、はっ……
なん、か、涙っ、出てるっ……」
「うん、安心しろ。大丈夫。
俺が撫でてるの分かるか?
合わせてみろ……ゆっくりだ。」
「はぁぁ……すぅっ……」
「そう……。上手だ……。」
グイッ
強くない。
優しくもない。
重厚で確かな引き寄せ。
額に、
やわらかな熱が
転写された――。

―――――
(キーボードを弾く音)
カチャカチャ……
カチャッ……カチャカチャ……
タン……
『表紙のチーターが、
こちらを見ている。
微々たる嘲笑みを
瞳に棲まわせて。
ああ。
そうだ。
俺は、獲物を前にして、
理性を保てるほど
スマートじゃない。
いや――
そうでありたいとも、思わない。
友情。
今の関係。
そんな言葉を並べて、
距離を守ろうとしたことも
あった。
でも、
目の前にいる彼の体温は、
そんなハリボテを
簡単に壊してくる。
彼の瞳が揺れる。
止めようとしている。
俺を、元に戻そうとしている。
それすら、
――胸の奥を悦ばせる。
これが、俺の本性なんだ。
元に戻るわけないだろう。
熱が、ゆっくりと広がる。
触れてしまえば、
戻れないかもしれない。
けれど。
触れなければ、
このまま何も起きずに、
過ぎていく。
それが、怖かった。
ずっと、見ていた。
まだ無垢な頃から。
恋も愛も知らなかった
あの頃から
ずっとだ。
無造作な髪。
絵の具に染まった指先。
近づいても、離れても、
変わらない背中。
その全部に、触れたかった。
逃げられる前に、
捕まえてしまいたい。
噛んで、噛んで、
跡を残したいんだ――。
俺は、
お前の優しさに、つけ込んだんだ。』



