「…………えっ?」
大親友から告げられた言葉は、志雫には予想がつかないものだった。
だが、言葉の意味を知らないわけではない。
なんの意味でその言葉を使ったのか、志雫は念のため問いかけた。
「えっ、と…。それって…」
言葉は詰まり、目を合わせることも気まづい状況。
だが、そう言い切る前には、ちゃんと羽田本の顔を見て聞くことを決めた。
「友達…と、して?」
少しして、羽田本はやわらかい笑みを見せた。
その顔を見て、志雫は安心した。
「違うよ」
「えっ…?」
思っていた返事と違い、志雫は肩の力がガクッと抜けた。
「っすーーーーーー……えぇ〜〜っとお〜〜……」
何から話せばいいのか、なんと返せば羽田本を傷付けずこの場を収めることができるのか。
志雫は額に手を当てながら必死に考えた。
「……ごめんね。急にこんなこと言って」
「いやっ、別に…。ビックリはしてるけど、嫌じゃねぇっていうか。あー……聞いてもい?」
「うん」
「うん……いつから……?」
羽田本は少し俯き、ゆっくりと話し始めた。
「初めは、憧れとかそんな感じだったかな。……覚えてる?僕が幼稚園に入った時のこと」
志雫と羽田本は同じ幼稚園に通っていた。
「親の都合でこっちに引っ越してきて、あとから入ってさ。もう仲良い友達はできてる頃で、誰も知らないのがすごく嫌で。次の日、ホントは行きたくなくて我儘言うつもりだった……でも」
──
朝から家のチャイム音が鳴り響いた。
しばらくして、バカみたいに元気な子どもの声が、2階のベッドでうずくまっている羽田本にまで聞こえてきた。
「るいくんいますか!」
その子どもは自分を呼んでいたのだ。
母親に連れられ、パジャマのまま玄関へ向かうと、昨日入ったばかりの幼稚園の制服を着た男の子がいた。
自分の入ったクラスにいたような覚えがあった。
「まだパジャマじゃん!いっしょにようちえんいこう!!」
「……っ、なんで……?」
「きのう、ずっとひとりだったろ?ひとりがこわいなら、おれがいっしょにいるから、ふたりでいよう!」
──
「そう言ってくれたのが京翔だったよね。覚えてるかな…?たった1日、なんなら話しもしなかった僕のことを、覚えて、気にかけてくれたのが本当に嬉しくて」
嬉しそうに、少し恥ずかしそうに、羽田本は昔話を語った。
「その時からずっと、僕は京翔のことが好きなんだ。……初めは、“かっこいいな〜”とかそんな感じだったけど、一緒にいる時間が長くなるほど、僕の想いは変わっていった」
また真剣な表情に変わり、羽田本は真っ直ぐ志雫を見つめた。
「……誰にも京翔を渡したくない。京翔のことが好き。これは友達としてじゃなくて、僕の想いとしてだよ。…恋愛って意味はもちろん含まれるけど、でも、ただそれだけじゃない。これからの人生、僕は京翔とずっと一緒にいたい」
そう言いながら、羽田本は志雫の手を取った。
不思議と、羽田本の言葉や行動には、全く嫌な気がしなかった。
「………」
「………」
2人は黙り込んでしまった。
なにかに悩んでいるような志雫。
そんな志雫を不安そうに見つめる羽田本。
「……分かった」
「…ッ!」
ようやく、志雫が口を開いた。
志雫から告げられる言葉を待つ羽田本は、さらに心音が早くなる。
「お前の気持ちはすげぇ伝わった。……でも、ここですぐ答えらんねぇ……」
「………そう、だよね」
「少し考えさせてくれよ。お前と一緒にいたいってのは、俺も同じ気持ちだ!……でも、俺の想ってる気持ちと、お前の気持ちは、多分ちげぇんだよな」
「…………」
「そこんとこ、もうちょい整理させてくれ。俺のケジメがついたらさ……返事させてほしい」
志雫は、羽田本の手をギュッと握り返した。
「……分かった」
いつの間にか、2人とも笑顔を見せていた。
大親友から告げられた言葉は、志雫には予想がつかないものだった。
だが、言葉の意味を知らないわけではない。
なんの意味でその言葉を使ったのか、志雫は念のため問いかけた。
「えっ、と…。それって…」
言葉は詰まり、目を合わせることも気まづい状況。
だが、そう言い切る前には、ちゃんと羽田本の顔を見て聞くことを決めた。
「友達…と、して?」
少しして、羽田本はやわらかい笑みを見せた。
その顔を見て、志雫は安心した。
「違うよ」
「えっ…?」
思っていた返事と違い、志雫は肩の力がガクッと抜けた。
「っすーーーーーー……えぇ〜〜っとお〜〜……」
何から話せばいいのか、なんと返せば羽田本を傷付けずこの場を収めることができるのか。
志雫は額に手を当てながら必死に考えた。
「……ごめんね。急にこんなこと言って」
「いやっ、別に…。ビックリはしてるけど、嫌じゃねぇっていうか。あー……聞いてもい?」
「うん」
「うん……いつから……?」
羽田本は少し俯き、ゆっくりと話し始めた。
「初めは、憧れとかそんな感じだったかな。……覚えてる?僕が幼稚園に入った時のこと」
志雫と羽田本は同じ幼稚園に通っていた。
「親の都合でこっちに引っ越してきて、あとから入ってさ。もう仲良い友達はできてる頃で、誰も知らないのがすごく嫌で。次の日、ホントは行きたくなくて我儘言うつもりだった……でも」
──
朝から家のチャイム音が鳴り響いた。
しばらくして、バカみたいに元気な子どもの声が、2階のベッドでうずくまっている羽田本にまで聞こえてきた。
「るいくんいますか!」
その子どもは自分を呼んでいたのだ。
母親に連れられ、パジャマのまま玄関へ向かうと、昨日入ったばかりの幼稚園の制服を着た男の子がいた。
自分の入ったクラスにいたような覚えがあった。
「まだパジャマじゃん!いっしょにようちえんいこう!!」
「……っ、なんで……?」
「きのう、ずっとひとりだったろ?ひとりがこわいなら、おれがいっしょにいるから、ふたりでいよう!」
──
「そう言ってくれたのが京翔だったよね。覚えてるかな…?たった1日、なんなら話しもしなかった僕のことを、覚えて、気にかけてくれたのが本当に嬉しくて」
嬉しそうに、少し恥ずかしそうに、羽田本は昔話を語った。
「その時からずっと、僕は京翔のことが好きなんだ。……初めは、“かっこいいな〜”とかそんな感じだったけど、一緒にいる時間が長くなるほど、僕の想いは変わっていった」
また真剣な表情に変わり、羽田本は真っ直ぐ志雫を見つめた。
「……誰にも京翔を渡したくない。京翔のことが好き。これは友達としてじゃなくて、僕の想いとしてだよ。…恋愛って意味はもちろん含まれるけど、でも、ただそれだけじゃない。これからの人生、僕は京翔とずっと一緒にいたい」
そう言いながら、羽田本は志雫の手を取った。
不思議と、羽田本の言葉や行動には、全く嫌な気がしなかった。
「………」
「………」
2人は黙り込んでしまった。
なにかに悩んでいるような志雫。
そんな志雫を不安そうに見つめる羽田本。
「……分かった」
「…ッ!」
ようやく、志雫が口を開いた。
志雫から告げられる言葉を待つ羽田本は、さらに心音が早くなる。
「お前の気持ちはすげぇ伝わった。……でも、ここですぐ答えらんねぇ……」
「………そう、だよね」
「少し考えさせてくれよ。お前と一緒にいたいってのは、俺も同じ気持ちだ!……でも、俺の想ってる気持ちと、お前の気持ちは、多分ちげぇんだよな」
「…………」
「そこんとこ、もうちょい整理させてくれ。俺のケジメがついたらさ……返事させてほしい」
志雫は、羽田本の手をギュッと握り返した。
「……分かった」
いつの間にか、2人とも笑顔を見せていた。
