「今年の学生映画コンクールには、この作品を持っていくから、みんな結果を楽しみにしててね〜!じゃあ今日は解散!」
その合図で、部屋にいた生徒たちは、片付けをしたり教室をあとにしたりと、それぞれに動いた。
志田はもう一度背伸びをして、ゆっくり立ち上がった。
「帰ろーぜ、流李。ようやくお前も、京羽の変な妄想に付き合わなくてよくなるなー」
「ちょっと!!変な妄想ってなによ!!」
「やべっ。あ、俺トイレ行ってくる。流李、カバン持ってて〜」
その場から逃げ出すための嘘なのか、志田は畠本に荷物を託し、駆け足で教室を出て行った。
「もお!お兄ちゃんのばーか」
「ふふっ、仲良いね」
「………傷付いた?」
「ん?なんで?」
京羽は、畠本にだけ聞こえるような小声で問いかけた。
どこか不安そうに畠本を見つめるが、畠本は満足そうに笑って、撫でるように京羽の頭に手を置いた。
「……お兄ちゃん、たぶん何も気付いてない。流李くんの気持ち……」
「……そうかもね。京翔が鈍感なのは、本当のことだから」
「………」
「でもいいんだ。あの台詞、京翔なら本当にそう言うだろうなって思ったから、結構納得してるんだ」
「あの台詞…?」
「……“友達でいたい。気持ちは知らないフリしないけど、友達として接したい”って。……もし、本当にフラれても、僕もそうしてほしいって思ったから」
「流李くん……」
「ありがとね。…こんなことまでして、僕の気持ちをちょっとでも、京翔に伝えさせてくれて」
京羽がこの映画を作った目的は、もう1つある。
志田に対して、本当に長年片思いしている畠本にチャンスを作りたかった。
少しでも志田が、映画の中ではなく、本当の畠本を気になってくれたらと…。
その思いは恐らく不発に終わり、志田は今回のことを、ただの思い出作りくらいに感じていることだろう。
だか畠本は、不安そうな京羽に対して、満足そうに微笑んだ。
「……もう、諦めるの?」
「んー……映画の言葉を借りるなら、“今回は”かな。僕も今はまだ、友達でもいいかなって。……今は、ね」
そう言いながら教室の外へ向かう畠本は、足を止め、京羽の方へ振り返る。
その瞳は、静かに熱を持っていた。
「大丈夫。きっと京翔は僕のところに来る……そう思うんだ」
一瞬不敵に笑い、畠本は志田の元へと向かっていった。
取り残された京羽は、苦笑いを浮かべた。
「……こわ〜〜。流李くん、お兄ちゃんのことになると人が変わりすぎだよ……。まぁいっか!」
畠本の諦めの悪さを、京羽は知っている。
あの調子なら大丈夫だろうと思った。
その合図で、部屋にいた生徒たちは、片付けをしたり教室をあとにしたりと、それぞれに動いた。
志田はもう一度背伸びをして、ゆっくり立ち上がった。
「帰ろーぜ、流李。ようやくお前も、京羽の変な妄想に付き合わなくてよくなるなー」
「ちょっと!!変な妄想ってなによ!!」
「やべっ。あ、俺トイレ行ってくる。流李、カバン持ってて〜」
その場から逃げ出すための嘘なのか、志田は畠本に荷物を託し、駆け足で教室を出て行った。
「もお!お兄ちゃんのばーか」
「ふふっ、仲良いね」
「………傷付いた?」
「ん?なんで?」
京羽は、畠本にだけ聞こえるような小声で問いかけた。
どこか不安そうに畠本を見つめるが、畠本は満足そうに笑って、撫でるように京羽の頭に手を置いた。
「……お兄ちゃん、たぶん何も気付いてない。流李くんの気持ち……」
「……そうかもね。京翔が鈍感なのは、本当のことだから」
「………」
「でもいいんだ。あの台詞、京翔なら本当にそう言うだろうなって思ったから、結構納得してるんだ」
「あの台詞…?」
「……“友達でいたい。気持ちは知らないフリしないけど、友達として接したい”って。……もし、本当にフラれても、僕もそうしてほしいって思ったから」
「流李くん……」
「ありがとね。…こんなことまでして、僕の気持ちをちょっとでも、京翔に伝えさせてくれて」
京羽がこの映画を作った目的は、もう1つある。
志田に対して、本当に長年片思いしている畠本にチャンスを作りたかった。
少しでも志田が、映画の中ではなく、本当の畠本を気になってくれたらと…。
その思いは恐らく不発に終わり、志田は今回のことを、ただの思い出作りくらいに感じていることだろう。
だか畠本は、不安そうな京羽に対して、満足そうに微笑んだ。
「……もう、諦めるの?」
「んー……映画の言葉を借りるなら、“今回は”かな。僕も今はまだ、友達でもいいかなって。……今は、ね」
そう言いながら教室の外へ向かう畠本は、足を止め、京羽の方へ振り返る。
その瞳は、静かに熱を持っていた。
「大丈夫。きっと京翔は僕のところに来る……そう思うんだ」
一瞬不敵に笑い、畠本は志田の元へと向かっていった。
取り残された京羽は、苦笑いを浮かべた。
「……こわ〜〜。流李くん、お兄ちゃんのことになると人が変わりすぎだよ……。まぁいっか!」
畠本の諦めの悪さを、京羽は知っている。
あの調子なら大丈夫だろうと思った。
