四季を巡って、恋し愛する僕たちは

「おいコラ志雫ぁ、話がちげぇだろーがオイ」
「先輩、それは無しって話にしましたよね?」
「もしかして聞き間違いかな…?志雫くん、もう一度、ちゃんとした答えを聞かせてくれないかな?」

志雫は想像よりもみんなに詰められ、まるでカツアゲをされているような図になってしまった。
圧に押し負けそうな気持ちになりながらも、志雫は答えを曲げなかった。

「…………全員、ごめんなさい!」
「……先輩」
「京翔……」
「なるほどな……念の為、首輪持って来といて良かったわ。今日からお前ん家(ち)、俺ん家(ち)な」
「……ッ!!?」

怖い笑顔のまま、朱崎はいつの間にか手に首輪を持っていた。

「それなら俺も、家の財力使って無理やり同じ苗字にします」
「……ッ!?!」
「志雫くん……あの本の内容を映像にした物があるんだけど、興味ない?」
「……ッッッ!!!???」

次々と襲いかかる言葉の数々に、志雫は声も出せないほど恐怖を感じていた。
なんということだろうか。
このまま志雫は、ペットに、同じ苗字に、そして洗脳されてしまうのだ。

「……待って!京翔……ちゃんと理由があるんでしょ?」

そんな中、羽田本は1人、真っ直ぐ志雫を見つめた。
どんな結果でも受け止めよう、そう言っているような真剣な瞳に、志雫も狼狽えることをやめた。

「……全員、俺の事を真剣に考えてくれてるのは…すごい伝わりました。この1年、なんだかんだすげぇ楽しかった。でも、だからこそ…………1人を決めるなんて、できなかった……。ごめん……こんな、ズルい返事になって…」

4人の思っていたような気持ちには答えられなかった。
けれど、志雫は自分らしいと思える道を考えていた。

「俺はこれからも、みんなと友達でいたい。みんなの気持ち、知らないフリはしないけど…俺は友達として、これからも接していこうと思う」

志雫は4人の顔を見ながら答えた。
しばらく黙ったままだったが、次第に次々と口を開き始める。

「それが、志雫くんの出した答えなんだね…。やっぱり、君は優しいね」
「なんとなく、そんな気はしてました。先輩なら、1人のために他を見捨てたりしないだろうって」
「あーあ、残念だな〜。でも、こっちも諦めようとは思ってねぇからな?」
「えぇ〜…。朱崎先輩のは怖ぇんスけど…」
「カミサマ信仰してる方が怖ぇだろ〜」
「ちょっと朱崎くん?神を冒涜するなら許さないよ?」
「先輩!来年も夏祭り行きましょうね!」
「はいはい。今度はブルーハワイな」

なんとなく、志雫はこんな雰囲気になるだろうと思っていた。
思いの丈を伝えることができ、ようやく心から笑えるようになった。

「……京翔」
「ん?流李…?」

さっきから少し距離を置いていた羽田本が、志雫の元へ近付いてきた。
困ったように眉を下げているが、本当に嬉しい時にするふわっとした笑顔を見せた。

「京翔、ありがとう」
「……おう!」

あぁ、好きだな。
改めてそう感じた。