放課後、志雫は深都の自宅へ向かった。
同じような住宅が並ぶ景色に迷いながらも、スマホの地図アプリは淡々と《目的地に到着しました》と表示してくる。
立ち止まった家の前にある表札をじっくりと眺め、深都の自宅で間違いないことを何度も確認し、勇気を出してインターホンを押した。
「……ッ!」
気を引き締めて待ち構えたが、なんの返事もなく、家からは誰も出てこない。
誰もいないのだろうか、出てこられないほど寝込んでいるのだろうかと、不安は募る一方だが、志雫は思い切って、もう一度インターホンを押した。
「……ッ!!」
それでも、やはりなんの反応もなく、思わず志雫は、落胆のため息を漏らした。
「ッだ〜〜、ダメかぁ…。誰もいねぇのかな…」
これ以上は迷惑になると思い、その場を去ろうと足を踏み出した。
「……ッ、志雫くん!?」
思いっきり玄関が開くと、パジャマ姿の深都が出てきた。
寝起きで急いだのか、髪は少しボサつき、裸足のまま志雫の元へ駆け寄った。
___
「……どうやって調べたの?」
「あ……詠瀬に、教えてもらって…。あ!あいつを怒らないでくださいね!?教えろって頼んだのは俺なんで!!」
「……いいよ、それくらい」
志雫は深都の部屋に招かれた。
まだ体調は良くなっていないのか、深都は怠そうな顔付きをしている。
「……まだ、良くないんですね」
「あはは…情けないな。…心配してくれたんだ?」
「そりゃあ…あんだけずぶ濡れなの知ってたら……」
「酷い雨だったよね。…花壇、どうなってる?」
「大丈夫ですよ!今日は流李が面倒見てくれてます!深都会長が動いてなかったら、水浸しになってただろうって、言ってました」
「そう……よかった」
ふっと零す笑顔に、志雫はなんだかホッとした。
しかし次の瞬間、軽い咳を続ける深都を見て、また心配の波が押し寄せる。
「あぁッ、寝てて下さい!無理しないで!」
「ごめんね……ありがとう……」
「あ、差し入れも少しあるんで。よかったら食べてください」
「そんなことまで……悪いね」
「友達が弱ってたら、これくらい普通ですよ」
「友達………。そっか、普通なのか……。僕、今まで友達なんて言えるような人がいたことないから……こういうのは初めてだ」
ベッドで横になりながら、深都は寂しそうな笑顔で話た。
「……なんで、いつも1人でいるんですか?」
「なんでだろうね…。別に僕は、周りを拒絶してるわけではないんだけど…。なんか、勝手にクールなイメージを持たれてるみたいで…気付けば、周りに誰もいないんだよね…。だから、君が初めてだ。こんなに付き合ってくれるのも、こんなにいっぱい話したのも」
「…………」
「君の周りには、いつも人がいるね。だから僕も……君みたいになりたい、そばにいてみたいって思ったんだ…。いつか僕も、そんな風になれるような気がして……。志雫くん…君は僕の光…神さまみたいな存在なんだよ」
特別、志雫が深都になにかしたわけではない。
しかし、羨望の眼差しで語る深都を見ていると、志雫は胸を張りたくなった。
「……よく分かんねぇっスけど、俺でよければなりますよ、友達」
「本当……?」
「こんなにいっぱい一緒にいて、友達じゃないってのも変ですしね。深都会長の想いは、友達である俺が残していくんで。花壇のこと、最後まで一緒に頑張りましょ!」
「……うん!」
先程まで外にいて冷えていた体が、むしろ熱くなるような瞬間。
志雫と深都は、お互いの顔を見て笑いあった。
同じような住宅が並ぶ景色に迷いながらも、スマホの地図アプリは淡々と《目的地に到着しました》と表示してくる。
立ち止まった家の前にある表札をじっくりと眺め、深都の自宅で間違いないことを何度も確認し、勇気を出してインターホンを押した。
「……ッ!」
気を引き締めて待ち構えたが、なんの返事もなく、家からは誰も出てこない。
誰もいないのだろうか、出てこられないほど寝込んでいるのだろうかと、不安は募る一方だが、志雫は思い切って、もう一度インターホンを押した。
「……ッ!!」
それでも、やはりなんの反応もなく、思わず志雫は、落胆のため息を漏らした。
「ッだ〜〜、ダメかぁ…。誰もいねぇのかな…」
これ以上は迷惑になると思い、その場を去ろうと足を踏み出した。
「……ッ、志雫くん!?」
思いっきり玄関が開くと、パジャマ姿の深都が出てきた。
寝起きで急いだのか、髪は少しボサつき、裸足のまま志雫の元へ駆け寄った。
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「……どうやって調べたの?」
「あ……詠瀬に、教えてもらって…。あ!あいつを怒らないでくださいね!?教えろって頼んだのは俺なんで!!」
「……いいよ、それくらい」
志雫は深都の部屋に招かれた。
まだ体調は良くなっていないのか、深都は怠そうな顔付きをしている。
「……まだ、良くないんですね」
「あはは…情けないな。…心配してくれたんだ?」
「そりゃあ…あんだけずぶ濡れなの知ってたら……」
「酷い雨だったよね。…花壇、どうなってる?」
「大丈夫ですよ!今日は流李が面倒見てくれてます!深都会長が動いてなかったら、水浸しになってただろうって、言ってました」
「そう……よかった」
ふっと零す笑顔に、志雫はなんだかホッとした。
しかし次の瞬間、軽い咳を続ける深都を見て、また心配の波が押し寄せる。
「あぁッ、寝てて下さい!無理しないで!」
「ごめんね……ありがとう……」
「あ、差し入れも少しあるんで。よかったら食べてください」
「そんなことまで……悪いね」
「友達が弱ってたら、これくらい普通ですよ」
「友達………。そっか、普通なのか……。僕、今まで友達なんて言えるような人がいたことないから……こういうのは初めてだ」
ベッドで横になりながら、深都は寂しそうな笑顔で話た。
「……なんで、いつも1人でいるんですか?」
「なんでだろうね…。別に僕は、周りを拒絶してるわけではないんだけど…。なんか、勝手にクールなイメージを持たれてるみたいで…気付けば、周りに誰もいないんだよね…。だから、君が初めてだ。こんなに付き合ってくれるのも、こんなにいっぱい話したのも」
「…………」
「君の周りには、いつも人がいるね。だから僕も……君みたいになりたい、そばにいてみたいって思ったんだ…。いつか僕も、そんな風になれるような気がして……。志雫くん…君は僕の光…神さまみたいな存在なんだよ」
特別、志雫が深都になにかしたわけではない。
しかし、羨望の眼差しで語る深都を見ていると、志雫は胸を張りたくなった。
「……よく分かんねぇっスけど、俺でよければなりますよ、友達」
「本当……?」
「こんなにいっぱい一緒にいて、友達じゃないってのも変ですしね。深都会長の想いは、友達である俺が残していくんで。花壇のこと、最後まで一緒に頑張りましょ!」
「……うん!」
先程まで外にいて冷えていた体が、むしろ熱くなるような瞬間。
志雫と深都は、お互いの顔を見て笑いあった。
