きちっと並べられた会議机、壁にはさまざまなファイルが並んでおり、まるで会社のような部屋の圧迫感に、志雫は圧倒されていた。
「……すげぇ部屋だな〜。仕事できるやつが集まってるって感じだわ」
「別に普通ですよ。え〜と…ここだったかな…」
「てか、お前いつから生徒会入ってたんだよ」
詠瀬と訪れたのは、生徒会室。
先程すれ違った時、詠瀬の胸元に、生徒会メンバーの証であるバッジが光っているのを発見した。
聞けば、詠瀬は生徒会に入っており、深都の住所も分かるかもと言うのである。
「夏休み入ってからですよ。元々入ってた1年生がいたんですけど、『俺は世界で輝く人材なんだ〜!』とか言って、今アフリカに行って休学してるらしくって、穴埋めとして入れられたんです」
「なんだそいつ……」
「だから俺、まだ仕事覚える段階なんです。たしかこの辺に生徒会名簿があるって言ってたような……あ!ありました!」
パラパラとめくっていた手を止め、詠瀬は志雫に、あるページを見せた。
確かにそこには、深都の個人情報が載っていた。
こうも簡単に個人情報が入手できてしまうのは、悪いことをしているようで心が痛むが、志雫は細心の注意を払うことを心に誓い、大事に深都の住所をメモした。
「おお!サンキューな、翼!」
「先輩の頼みならこれくらい!」
「…………翼、この手なに?」
志雫がメモをし終わると、詠瀬は何も言わず、ニコニコしながら志雫の手首を掴んだ。
“逃がさない”という圧も感じる。
「俺は先輩の頼みとして、本当なら他の人に見せちゃダメな情報を教えました。だから、先輩からも教えてください。最近、なんで先輩のこと見かけないんですか?どこで誰と何をしてるんですか?なんで深都先輩の住所を知りたいんですか?」
子犬のようなあざとい上目遣いをしながら、怒涛の質問攻めを始める詠瀬。
志雫からすれば、尋問を受けているような気持ちだ。
「わ、分かったよ…。ほら、この前言ったろ?深都会長が、旧校舎の屋上の花壇を復活させようとしてるって。…それ手伝ってるんだよ」
「え?先輩、あれからも手伝ってるんですか?そもそも、旧校舎は立ち入り禁止のはずですよ?」
「だから内緒にしてくれって言ったろ…?この前の大雨で花壇がダメにならないよう、深都会長、1人でずぶ濡れになりながら作業しててさ…。それで風邪引いたって聞いたから、様子が気になるんだよ」
「……そうなんですね」
詠瀬は志雫の話を真面目に聞き、納得したのか、そっと志雫を掴む手を離した。
「見舞いにでも行こうと思ってさ。でも連絡先すら知らなかったから、お前のおかげで助かったよ」
「そうなんですね。……そういうところですよね、先輩って」
「……ん?なんて?」
後半の部分は小声で、志雫には上手く聞き取れなかった。
「なんでもないです。…俺にも手伝えることがあったら言ってください。花のことは分からないですけど、力仕事でもなんでもやりますよ!」
「ありがとな、翼。お前も1回見に来いよ。ホントにでっかい花壇でさ!ビックリするぜ?」
「そんなにですか?うちの庭にあるやつとどっちが大きいかな〜」
「あゴメン、それは勝てない」
志雫の心にかかっていた曇りは、少しずつ晴れていた。
知りたかった深都の住所が知れたからか、それとも、ようやく深都に会えるからなのか…。
「……すげぇ部屋だな〜。仕事できるやつが集まってるって感じだわ」
「別に普通ですよ。え〜と…ここだったかな…」
「てか、お前いつから生徒会入ってたんだよ」
詠瀬と訪れたのは、生徒会室。
先程すれ違った時、詠瀬の胸元に、生徒会メンバーの証であるバッジが光っているのを発見した。
聞けば、詠瀬は生徒会に入っており、深都の住所も分かるかもと言うのである。
「夏休み入ってからですよ。元々入ってた1年生がいたんですけど、『俺は世界で輝く人材なんだ〜!』とか言って、今アフリカに行って休学してるらしくって、穴埋めとして入れられたんです」
「なんだそいつ……」
「だから俺、まだ仕事覚える段階なんです。たしかこの辺に生徒会名簿があるって言ってたような……あ!ありました!」
パラパラとめくっていた手を止め、詠瀬は志雫に、あるページを見せた。
確かにそこには、深都の個人情報が載っていた。
こうも簡単に個人情報が入手できてしまうのは、悪いことをしているようで心が痛むが、志雫は細心の注意を払うことを心に誓い、大事に深都の住所をメモした。
「おお!サンキューな、翼!」
「先輩の頼みならこれくらい!」
「…………翼、この手なに?」
志雫がメモをし終わると、詠瀬は何も言わず、ニコニコしながら志雫の手首を掴んだ。
“逃がさない”という圧も感じる。
「俺は先輩の頼みとして、本当なら他の人に見せちゃダメな情報を教えました。だから、先輩からも教えてください。最近、なんで先輩のこと見かけないんですか?どこで誰と何をしてるんですか?なんで深都先輩の住所を知りたいんですか?」
子犬のようなあざとい上目遣いをしながら、怒涛の質問攻めを始める詠瀬。
志雫からすれば、尋問を受けているような気持ちだ。
「わ、分かったよ…。ほら、この前言ったろ?深都会長が、旧校舎の屋上の花壇を復活させようとしてるって。…それ手伝ってるんだよ」
「え?先輩、あれからも手伝ってるんですか?そもそも、旧校舎は立ち入り禁止のはずですよ?」
「だから内緒にしてくれって言ったろ…?この前の大雨で花壇がダメにならないよう、深都会長、1人でずぶ濡れになりながら作業しててさ…。それで風邪引いたって聞いたから、様子が気になるんだよ」
「……そうなんですね」
詠瀬は志雫の話を真面目に聞き、納得したのか、そっと志雫を掴む手を離した。
「見舞いにでも行こうと思ってさ。でも連絡先すら知らなかったから、お前のおかげで助かったよ」
「そうなんですね。……そういうところですよね、先輩って」
「……ん?なんて?」
後半の部分は小声で、志雫には上手く聞き取れなかった。
「なんでもないです。…俺にも手伝えることがあったら言ってください。花のことは分からないですけど、力仕事でもなんでもやりますよ!」
「ありがとな、翼。お前も1回見に来いよ。ホントにでっかい花壇でさ!ビックリするぜ?」
「そんなにですか?うちの庭にあるやつとどっちが大きいかな〜」
「あゴメン、それは勝てない」
志雫の心にかかっていた曇りは、少しずつ晴れていた。
知りたかった深都の住所が知れたからか、それとも、ようやく深都に会えるからなのか…。
