四季を巡って、恋し愛する僕たちは

翌日、あの大雨が嘘だったように青空が広がり、冷たい風もなく穏やかな気候に戻った。
しかし、まだぬかるんでいる地面や、大きな水溜まりが昨日の悲惨さを思い出させる。

「お〜、びしょびしょだな!気を付けて歩かないと滑るぞー」
「……花壇は無事みたい。2人がシートをかけてなかったら、きっとここも水浸しになってただろうね」

花壇の様子が気になり、志雫・羽田本・朱崎は、放課後に屋上へ集まった。
かかっていたブルーシートを取ると、植えていた苗は少し首を傾けていたが、元気な緑色をしたままだった。

「土もまだ湿ってるし、今日は水やりいらないかな」
「じゃあ今日は、この辺の掃除だな?ここ、水捌け悪いんだなー」
「……深都会長は?」

いつもなら1番にいるはずの深都が、まだ姿を見せていない。

「深都なら今日、休んでるみたいだぞー。風邪引いたんだって」
「えッ?」
「あんな大雨の中、ずぶ濡れでいたらそうなりますよね。…良かったね、京翔は頑丈で」
「バカは風邪引かないって本当なんだなー。お前、バカでよかったなー」
「え?なんで急に俺を刺したんスか??」

和気藹々とした雰囲気で、今日も花壇作りと屋上の整備に取りかかる。
けれど志雫は、体調不良の深都がどうしても気になって仕方なかった。

___


志雫は深都の教室を訪れた。
なぜかコソコソとしながら教室の中を覗くが、深都の姿はやはり見当たらない。

「……やっぱいねぇか〜」
「誰か探してんの?」

突然背後から、顔も知らない生徒に声をかけられた。

「あ、えっと…ふ、深都会長って……」
「深都?あいつなら今日も休みだぞ。風邪らしいって」
「あ……そう、なんですね…。あ、あの!……家…とかって、分かります?」
「いや、知らねぇけど。アイツの家なんて、誰も知らねぇだろ〜」
「あ、はは…そっすよね〜……」
「……生徒会のやつなら知ってんじゃねぇの?」
「生徒会の……?」
「授業以外で教室にいることあんまねぇし。生徒会のやつの方が、アイツのこと知ってるんじゃね?休み時間も1人でいるから、このクラスに“友達”って言えるようなやついないだろうしな〜」

その生徒は一方的に語ると、教室へ入ってしまった。
ここにいても仕方ないと思い、志雫も自分の教室へ戻っていく。

(生徒会……。いや、俺も生徒会の知り合いなんていねーし…!)

頼みの綱だった深都のクラスメイトは当てにならず、志雫は手詰まってしまった。
どうにかして深都の家を知る方法はないかと、頭を悩ませる。

「……あ!先輩〜!!こんなところで何してるんですか〜?!」
「……翼」
「会うの久しぶりですね!最近、どこ探しても見当たらなくて。何してたんですかー?」

たまたますれ違った詠瀬に捕まってしまい、志雫は足を止めた。

「あ、はは…ちょっとな…………ん?」