深都に言われた通り、志雫はメモに書いてある場所に向かった。
志雫は学校の近くにある、時代を感じる商店街の中を歩きながら、店を探した。
「………ん?ここか?」
屋根に書かれた文字が掠れていて一瞬見落としてしまったが、確かにメモと同じ店名が書かれていた。
店の前にはたくさんの花の苗が置いてある、いかにもな花屋だ。
入っていいのか分からず、店の前でうろついていると、エプロンを身に着けた優しそうなおばあさんと目が合った。
「あの〜……深都さんに頼まれて、荷物を取りに来たんですけど…」
「あぁ〜、あの子のお友達なのね。ちょっと待ってね」
おばあさんは嬉しそうに店の中に入り、大きな袋を持って戻ってきた。
「はい。頼まれていた苗と種、あとオマケで肥料とか入れてるわよ」
「あ、ありがとうございます…」
袋の中にはいろんな形の芽が出た苗や、聞いたこともない名前の書いた種の袋が入っていた。
「久々だねぇ。あの学校の学生さんが、ここに花を買いに来てくれるのは」
「……ここに?」
「そうよ〜、まだあなたたちが生まれてない頃の話だけどねぇ。なんでも、学校に大きな花壇があるからって、季節の変わり目にはたくさんの花を買いに来てくれて」
おばあさんは、嬉しそうに当時の話をした。
深都が言っていた話は本当だったのだと、志雫は改めて実感する。
「でも…校舎が新しくなったんだっけね。それからは、ここに来る回数が減って…いつの間にか学生さんは来なくなったねぇ…。あの子が来たのは、あれから本当に久しぶりなんだよ」
深都のことを言っているのだろう。
喜ぶおばあさんの顔を見て、志雫はなんだか嬉しくなった。
「…また、その花壇に花を植えようって話してるんです。また来ます!俺、花なんて育てたのは、小学校のアサガオ以来なんで」
「あらあら。またおいで」
あの花壇には、学校以外の人の想いも詰まっていた。
おばあさんの話を聞いて、志雫はやる気が湧いてきた。
___
「あっ!志雫くんおかえり!」
受け取った荷物を持って、言われた通りの入口から真っ直ぐ旧校舎の屋上を目指した。
屋上に着くと、ジャージを着た深都が土いじりをして待っていた。
昼休みとは違う、昨日と同じ笑顔で、志雫はなんだかホッとした。
「ごめんね、いっぱい持たせて」
「これくらい、いいっスよ。花屋のおばちゃんから聞きました。前はよく生徒が買いに来てたって」
「あの商店街は、うちの学校と同じくらいの歴史があるからね。あの店主さんも、ずっと変わってないらしいよ」
そんな話をしながら、深都は袋から苗や種を出して、品種ごとに並べた。
全部出し終えたところで、深都はなにかに悩み始める。
「全部植えるんですか?これ」
「うん。でもまだ、どこになにを植えるか悩んでいてね…。色のバランス、花の組み合わせ…いろいろ買ってみたはいいけど…志雫くんはどう思う?」
「俺に聞かないでくださいよ。花のセンスなんて、俺にあると思います?」
「そっか〜〜……。まあ、今日の今日には植えなくてもいいから、なにか考えておくよ。じゃあ、苗はあっちに運ぼうか」
深都はひとまず考えることをやめ、別の作業に取りかかった。
志雫は手伝いながら、なにかいい案はないか考え続けた。
志雫は学校の近くにある、時代を感じる商店街の中を歩きながら、店を探した。
「………ん?ここか?」
屋根に書かれた文字が掠れていて一瞬見落としてしまったが、確かにメモと同じ店名が書かれていた。
店の前にはたくさんの花の苗が置いてある、いかにもな花屋だ。
入っていいのか分からず、店の前でうろついていると、エプロンを身に着けた優しそうなおばあさんと目が合った。
「あの〜……深都さんに頼まれて、荷物を取りに来たんですけど…」
「あぁ〜、あの子のお友達なのね。ちょっと待ってね」
おばあさんは嬉しそうに店の中に入り、大きな袋を持って戻ってきた。
「はい。頼まれていた苗と種、あとオマケで肥料とか入れてるわよ」
「あ、ありがとうございます…」
袋の中にはいろんな形の芽が出た苗や、聞いたこともない名前の書いた種の袋が入っていた。
「久々だねぇ。あの学校の学生さんが、ここに花を買いに来てくれるのは」
「……ここに?」
「そうよ〜、まだあなたたちが生まれてない頃の話だけどねぇ。なんでも、学校に大きな花壇があるからって、季節の変わり目にはたくさんの花を買いに来てくれて」
おばあさんは、嬉しそうに当時の話をした。
深都が言っていた話は本当だったのだと、志雫は改めて実感する。
「でも…校舎が新しくなったんだっけね。それからは、ここに来る回数が減って…いつの間にか学生さんは来なくなったねぇ…。あの子が来たのは、あれから本当に久しぶりなんだよ」
深都のことを言っているのだろう。
喜ぶおばあさんの顔を見て、志雫はなんだか嬉しくなった。
「…また、その花壇に花を植えようって話してるんです。また来ます!俺、花なんて育てたのは、小学校のアサガオ以来なんで」
「あらあら。またおいで」
あの花壇には、学校以外の人の想いも詰まっていた。
おばあさんの話を聞いて、志雫はやる気が湧いてきた。
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「あっ!志雫くんおかえり!」
受け取った荷物を持って、言われた通りの入口から真っ直ぐ旧校舎の屋上を目指した。
屋上に着くと、ジャージを着た深都が土いじりをして待っていた。
昼休みとは違う、昨日と同じ笑顔で、志雫はなんだかホッとした。
「ごめんね、いっぱい持たせて」
「これくらい、いいっスよ。花屋のおばちゃんから聞きました。前はよく生徒が買いに来てたって」
「あの商店街は、うちの学校と同じくらいの歴史があるからね。あの店主さんも、ずっと変わってないらしいよ」
そんな話をしながら、深都は袋から苗や種を出して、品種ごとに並べた。
全部出し終えたところで、深都はなにかに悩み始める。
「全部植えるんですか?これ」
「うん。でもまだ、どこになにを植えるか悩んでいてね…。色のバランス、花の組み合わせ…いろいろ買ってみたはいいけど…志雫くんはどう思う?」
「俺に聞かないでくださいよ。花のセンスなんて、俺にあると思います?」
「そっか〜〜……。まあ、今日の今日には植えなくてもいいから、なにか考えておくよ。じゃあ、苗はあっちに運ぼうか」
深都はひとまず考えることをやめ、別の作業に取りかかった。
志雫は手伝いながら、なにかいい案はないか考え続けた。
