「……と、いうことになりまして…。ここでの内密にしてほしいんだけど、俺はちょくちょく旧校舎を見に行かないと行けなくなったから……」
翌日の昼休み。
中庭のベンチで一緒に昼食を摂っている羽田本は、不機嫌さを表すように、パックジュースをズゴゴゴゴッと音を出しながら飲み干した。
「はぁ……京翔は優しすぎるんだよ……。だから変な人たちに付け込まれるの、分かってる?」
「こ、今回のは俺、悪くねぇだろ…!」
志雫は今年に入って何度目か、羽田本からの嫉妬混じりの説教を受けた。
「深都はそういうとこあるよな〜。だから友達いねぇんだよ、アイツ」
「でも秘密基地なんて、意外とかわいいことするんですね」
「………ねぇ、なんで一緒にいるの?」
さらに羽田本が不機嫌なのは、なぜか詠瀬と朱崎も一緒に昼食を摂っているからだ。
明らかに4人で座るには狭いベンチに、すし詰め状態になっている。
「なんだよー。一緒にいちゃダメなのかよ〜」
「ダメです。出てってください」
「先輩、俺の唐揚げいります?はい、あーんッ」
「君のはいらないよ、自分で食べな…!」
「…………」
いつにも増して騒がしい昼休み。
羽田本が拗ねるのも分からないことはなく、志雫は申し訳ない気持ちで、黙って箸を進める。
「……君たち、そんなに集まって何してるの?」
面倒事の連鎖も、この1年で慣れたものだ。
“今、1番来てほしくない人物”の声が聞こえたが、志雫は落ち着いた雰囲気を装いながら顔を上げた。
「おっ、噂をすれば深都じゃん」
「噂…?なんなの?」
「お前こそなんだよ」
「僕は志雫くんに用があるんだ。…はい、志雫くん」
「……なんですか、これ?」
深都は志雫にメモを手渡した。
「放課後、ここに行って荷物を受け取ってほしいんだ。受け取ったら北側の勝手口から入って、屋上に持ってきてね」
北側の勝手口は、旧校舎に直結する入口だ。
つまり、あの花壇に関係する話である。
「……京翔は僕と帰るんですけど」
「これは会長命令だよ。君は1人で帰りなさい」
「なんで深都会長が、京翔に命令できるんですか…?」
「………」
羽田本は、ここぞとばかりに深都に突っかかる。
深都は何も言わず、その場から立ち去ってしまった。
昨日とは違う、あくまでいつものどこか冷たそうな深都の姿に、志雫は寂しさを感じた。
「……行っちゃいましたね」
「なんだアイツ」
「京翔、そのメモ捨てていいよ」
「いや…いいよ。きっと屋上作りのモンなんだろ。すぐに終わらせるからさ、流李は図書室とかで待っててくれよ!」
「もぉ〜〜……しょうがないな……」
羽田本は、最後の最後には仕方なさそうに笑顔を見せた。
「お前、俺の前で堂々とサボり宣言していいの?」
「あっ」
「先輩っ!俺も手伝いま……」
「詠瀬いたぁッ!!!お前日直だろ、さっさと戻れ!!!日誌真っ白じゃねぇか!!書き終わるまで今日は帰れねぇぞ!!?」
詠瀬は、またもクラスメイトに連れ去られた。
気付けばそろそろ、次の授業が始まる時間だ。
翌日の昼休み。
中庭のベンチで一緒に昼食を摂っている羽田本は、不機嫌さを表すように、パックジュースをズゴゴゴゴッと音を出しながら飲み干した。
「はぁ……京翔は優しすぎるんだよ……。だから変な人たちに付け込まれるの、分かってる?」
「こ、今回のは俺、悪くねぇだろ…!」
志雫は今年に入って何度目か、羽田本からの嫉妬混じりの説教を受けた。
「深都はそういうとこあるよな〜。だから友達いねぇんだよ、アイツ」
「でも秘密基地なんて、意外とかわいいことするんですね」
「………ねぇ、なんで一緒にいるの?」
さらに羽田本が不機嫌なのは、なぜか詠瀬と朱崎も一緒に昼食を摂っているからだ。
明らかに4人で座るには狭いベンチに、すし詰め状態になっている。
「なんだよー。一緒にいちゃダメなのかよ〜」
「ダメです。出てってください」
「先輩、俺の唐揚げいります?はい、あーんッ」
「君のはいらないよ、自分で食べな…!」
「…………」
いつにも増して騒がしい昼休み。
羽田本が拗ねるのも分からないことはなく、志雫は申し訳ない気持ちで、黙って箸を進める。
「……君たち、そんなに集まって何してるの?」
面倒事の連鎖も、この1年で慣れたものだ。
“今、1番来てほしくない人物”の声が聞こえたが、志雫は落ち着いた雰囲気を装いながら顔を上げた。
「おっ、噂をすれば深都じゃん」
「噂…?なんなの?」
「お前こそなんだよ」
「僕は志雫くんに用があるんだ。…はい、志雫くん」
「……なんですか、これ?」
深都は志雫にメモを手渡した。
「放課後、ここに行って荷物を受け取ってほしいんだ。受け取ったら北側の勝手口から入って、屋上に持ってきてね」
北側の勝手口は、旧校舎に直結する入口だ。
つまり、あの花壇に関係する話である。
「……京翔は僕と帰るんですけど」
「これは会長命令だよ。君は1人で帰りなさい」
「なんで深都会長が、京翔に命令できるんですか…?」
「………」
羽田本は、ここぞとばかりに深都に突っかかる。
深都は何も言わず、その場から立ち去ってしまった。
昨日とは違う、あくまでいつものどこか冷たそうな深都の姿に、志雫は寂しさを感じた。
「……行っちゃいましたね」
「なんだアイツ」
「京翔、そのメモ捨てていいよ」
「いや…いいよ。きっと屋上作りのモンなんだろ。すぐに終わらせるからさ、流李は図書室とかで待っててくれよ!」
「もぉ〜〜……しょうがないな……」
羽田本は、最後の最後には仕方なさそうに笑顔を見せた。
「お前、俺の前で堂々とサボり宣言していいの?」
「あっ」
「先輩っ!俺も手伝いま……」
「詠瀬いたぁッ!!!お前日直だろ、さっさと戻れ!!!日誌真っ白じゃねぇか!!書き終わるまで今日は帰れねぇぞ!!?」
詠瀬は、またもクラスメイトに連れ去られた。
気付けばそろそろ、次の授業が始まる時間だ。
