朱崎という新たな刺客が加わり、より一層騒がしい毎日となった志雫。
たまには1人の時間がほしいと思い、生徒がほとんど足を踏み入れない旧校舎の空き教室で、静かに昼食を摂っていた。
(…古い建物だから寒さは凌げねぇけど、静かで落ち着くわ〜。たまたま流李が委員会の用があってラッキーだったな。考え事するには、ここはもってこいだ)
いつの間にか秋が終わり、日に日に強くなる冷たい空気。
制服のジャケットの下に暖かいセーターを着たり、マフラーや手袋を使ったりする生徒も増えてきた。
もうすっかり季節は冬を迎え、新たな年も目の前に近付いてきた。
今日1人になりたかったのは、ある理由があった。
(流李から始まったこの1年…。そろそろ俺も、本気で返事を考えないといけないよな〜〜)
人生最大のモテ期を迎えた志雫は、羽田本・詠瀬・朱崎の3人への返答をそろそろ考えようとしていた。
それと同時に、この1年の出来事もしみじみと振り返った。
長年の付き合いである大親友の羽田本からの、衝撃の告白を受けた春。
(流李が俺のことそんな風に思ってたなんて、考えもしなかったよな〜…。はじめは俺も動揺して微妙な関係に終わるかと思ったけど、いつも通りに戻れてホッとしたわ〜)
かわいがっていた後輩、詠瀬の本気を目の当たりにした夏。
(あんな話聞かされて、キラキラした目で見つめられたらな……。純粋な良いやつだし、なんか断りづらいんだよな〜〜……。)
優しい先輩だと思っていた朱崎の本性と、身の危険をこれでもかと実感した秋。
(この人は……なんかもう逃げなきゃいけない。逃げなきゃいけないんだけど……それだけを理由に断るのは、先輩の心を傷付けそうだからできれば避けたいな……)
考えれば考えるほど、志雫は頭を悩ませた。
誰か1人を選ぶことも、それ以外を切り捨てることも、心優しい志雫にとっては酷なことであった。
「ッだーーー!やっぱ決めるのなんて無理だろー!つか、なんで全員男なんだよー!!?」
志雫が大声で叫んだ瞬間、隣の教室からガタガタッと物が崩れるような音がした。
「うお゛ぉッ!!?なにッ!?」
物音はすぐにピタリと止み、元の静かな旧校舎に戻った。
その静けさが逆に不気味で、志雫はずっと前にクラスメイトが言っていた事を思い出した。
『旧校舎って、昼でもオバケが出るから封鎖になったんだってさー』
『え?普通に老朽化でしょ?取り壊すお金が無いとかじゃなかったっけ?』
『いやいや、オバケが出る方が面白いだろー!』
『面白さの方を取るなよ』
『志雫はどう思う?お前オカルトとかいけるの?』
『え…?別に、得意でも苦手でもねぇけど。ホラー映画とかは普通に観るし』
『なんだよつまんねーな。1人でも怖がりがいたら肝試ししようと思ったのに』
なぜ今、そんなやり取りを思い出したのか。
いざそういう状況になってみて、志雫は急に怖くなった。
だか、ほんの少しの好奇心が、志雫の足を動かした。
ゆっくり気付かれないように、志雫は隣の教室へ向かう。
たまには1人の時間がほしいと思い、生徒がほとんど足を踏み入れない旧校舎の空き教室で、静かに昼食を摂っていた。
(…古い建物だから寒さは凌げねぇけど、静かで落ち着くわ〜。たまたま流李が委員会の用があってラッキーだったな。考え事するには、ここはもってこいだ)
いつの間にか秋が終わり、日に日に強くなる冷たい空気。
制服のジャケットの下に暖かいセーターを着たり、マフラーや手袋を使ったりする生徒も増えてきた。
もうすっかり季節は冬を迎え、新たな年も目の前に近付いてきた。
今日1人になりたかったのは、ある理由があった。
(流李から始まったこの1年…。そろそろ俺も、本気で返事を考えないといけないよな〜〜)
人生最大のモテ期を迎えた志雫は、羽田本・詠瀬・朱崎の3人への返答をそろそろ考えようとしていた。
それと同時に、この1年の出来事もしみじみと振り返った。
長年の付き合いである大親友の羽田本からの、衝撃の告白を受けた春。
(流李が俺のことそんな風に思ってたなんて、考えもしなかったよな〜…。はじめは俺も動揺して微妙な関係に終わるかと思ったけど、いつも通りに戻れてホッとしたわ〜)
かわいがっていた後輩、詠瀬の本気を目の当たりにした夏。
(あんな話聞かされて、キラキラした目で見つめられたらな……。純粋な良いやつだし、なんか断りづらいんだよな〜〜……。)
優しい先輩だと思っていた朱崎の本性と、身の危険をこれでもかと実感した秋。
(この人は……なんかもう逃げなきゃいけない。逃げなきゃいけないんだけど……それだけを理由に断るのは、先輩の心を傷付けそうだからできれば避けたいな……)
考えれば考えるほど、志雫は頭を悩ませた。
誰か1人を選ぶことも、それ以外を切り捨てることも、心優しい志雫にとっては酷なことであった。
「ッだーーー!やっぱ決めるのなんて無理だろー!つか、なんで全員男なんだよー!!?」
志雫が大声で叫んだ瞬間、隣の教室からガタガタッと物が崩れるような音がした。
「うお゛ぉッ!!?なにッ!?」
物音はすぐにピタリと止み、元の静かな旧校舎に戻った。
その静けさが逆に不気味で、志雫はずっと前にクラスメイトが言っていた事を思い出した。
『旧校舎って、昼でもオバケが出るから封鎖になったんだってさー』
『え?普通に老朽化でしょ?取り壊すお金が無いとかじゃなかったっけ?』
『いやいや、オバケが出る方が面白いだろー!』
『面白さの方を取るなよ』
『志雫はどう思う?お前オカルトとかいけるの?』
『え…?別に、得意でも苦手でもねぇけど。ホラー映画とかは普通に観るし』
『なんだよつまんねーな。1人でも怖がりがいたら肝試ししようと思ったのに』
なぜ今、そんなやり取りを思い出したのか。
いざそういう状況になってみて、志雫は急に怖くなった。
だか、ほんの少しの好奇心が、志雫の足を動かした。
ゆっくり気付かれないように、志雫は隣の教室へ向かう。
