新学期が始まったばかりだというのに、残暑にも負けず、グラウンドにいる生徒たちは活気に溢れていた。
「オーライ、オーライ……っと、ナーイス」
飛んできたボールをキャッチし、外野の生徒に回す。
これが、今日の志雫の役割だった。
(結局こんなことしかしねぇんだから、出なくても一緒だろ〜……)
志雫は朱崎に言われた通り、夏休みの返上で、ここ最近は毎日部活に顔を出すようにしていた。
この学校の運動部は、今どきの思想に合わず、レギュラーと補欠部員で練習内容に格差を与えていた。
志雫の所属する野球部も、例外ではない。
レギュラー部員は、各々の得意プレーを伸ばすために与えられた練習メニューや、試合に近い形式の練習がメインとなっている。
対する補欠部員たちは、体力作りや球拾い…時には備品の手入れなどマネージャーのようなこともする。
上に上がりたければ己で努力しろ、という無言の圧が正当化されているのが、この学校の闇深い部分であった。
かくいう志雫は、1年の時から補欠部員の役割を全うしていた。
運動は大抵、平均以上にこなすことができるのだが、未経験が故もあってか経験者と比べられると劣ってしまった。
特別、野球がしたかったわけではないため、補欠でも大して不満はなかった。
ダラダラと入部したままサボりがちなせいで、顧問からは目を付けられているが、強制退部にさせられないのは、キャプテンである朱崎の後押しあってこそだ。
(面倒くさいのに続けてるのも、朱崎先輩が誘ってきた手前もあるからな〜…。さすがに先輩がいる間は辞めれねぇわ…)
志雫は、そこのところだけ律儀な男だった。
悩みの種となっている朱崎は、完璧なスイングでボールをバットに当てた。
飛んだボールは、志雫の方を目掛けて落ちてくる。
「オーライ……あぁあ〜」
「なにしてんだ志雫ァッ!!!」
「……ッ、サーセン!」
上手くキャッチできず、ボールはグラウンドを転がってしまった。
ドジをした志雫は、顧問に喝を入れられる。
「志雫〜、ドンマイ!」
「…あざ〜す……。はぁ〜……」
バッターボックスにいる朱崎は、爽やかな笑顔で志雫にグッドサインを送った。
来月の練習試合に向け、しばらく部活漬けの日々が待ち受けると思うと、志雫の肩は重かった。
「オーライ、オーライ……っと、ナーイス」
飛んできたボールをキャッチし、外野の生徒に回す。
これが、今日の志雫の役割だった。
(結局こんなことしかしねぇんだから、出なくても一緒だろ〜……)
志雫は朱崎に言われた通り、夏休みの返上で、ここ最近は毎日部活に顔を出すようにしていた。
この学校の運動部は、今どきの思想に合わず、レギュラーと補欠部員で練習内容に格差を与えていた。
志雫の所属する野球部も、例外ではない。
レギュラー部員は、各々の得意プレーを伸ばすために与えられた練習メニューや、試合に近い形式の練習がメインとなっている。
対する補欠部員たちは、体力作りや球拾い…時には備品の手入れなどマネージャーのようなこともする。
上に上がりたければ己で努力しろ、という無言の圧が正当化されているのが、この学校の闇深い部分であった。
かくいう志雫は、1年の時から補欠部員の役割を全うしていた。
運動は大抵、平均以上にこなすことができるのだが、未経験が故もあってか経験者と比べられると劣ってしまった。
特別、野球がしたかったわけではないため、補欠でも大して不満はなかった。
ダラダラと入部したままサボりがちなせいで、顧問からは目を付けられているが、強制退部にさせられないのは、キャプテンである朱崎の後押しあってこそだ。
(面倒くさいのに続けてるのも、朱崎先輩が誘ってきた手前もあるからな〜…。さすがに先輩がいる間は辞めれねぇわ…)
志雫は、そこのところだけ律儀な男だった。
悩みの種となっている朱崎は、完璧なスイングでボールをバットに当てた。
飛んだボールは、志雫の方を目掛けて落ちてくる。
「オーライ……あぁあ〜」
「なにしてんだ志雫ァッ!!!」
「……ッ、サーセン!」
上手くキャッチできず、ボールはグラウンドを転がってしまった。
ドジをした志雫は、顧問に喝を入れられる。
「志雫〜、ドンマイ!」
「…あざ〜す……。はぁ〜……」
バッターボックスにいる朱崎は、爽やかな笑顔で志雫にグッドサインを送った。
来月の練習試合に向け、しばらく部活漬けの日々が待ち受けると思うと、志雫の肩は重かった。
