「先輩!おはようございます!!」
「お、おお翼…。おはよう……」
「はい!おはようございます!」
とうとう長い夏休みが明けてしまい、今日から新学期が始まる。
久々の登校、久々のクラスメイトたちとの再会のはずなのに、初日の出だしを飾ったのは、夏休み中に見慣れた詠瀬だった。
少し日焼けをした健康的な肌色に、今まで学校では見せていなかった満面の笑顔。
詠瀬の様子の変化に、詠瀬のクラスメイトたちはもちろん、志雫と一緒にいた羽田本も困惑した。
「……随分嬉しそうだね?詠瀬くん」
「はい!夏休み、いっぱい先輩と遊べて楽しかったです!」
「そお………。君のおかげで、京翔の宿題はギリギリまで残ったし、僕は京翔と全然かき氷巡りできなかったけど」
「俺は先輩と食べましたよ、かき氷!先輩、今度は俺も青色のが食べてみたいです!ぶるーはわい?ってどんな味なんですか?…あ!でも、全部同じ味なんでしたっけ?」
「え〜〜、ははっ……」
志雫の両手を取り、嬉しそうにブンブン振りながら話す詠瀬。
横から漂う羽田本の険悪な視線に挟まれて、志雫は冷や汗をかいた。
「そ、その話は、また今度な!ほらほら!早く教室行かねぇと、全校集会遅れるぞ〜。ほら流李!ダッシュだ、ダッシュ〜…!」
「先輩〜!また行きますねー!」
志雫は羽田本の背中を押し、そそくさとその場から離れた。
「……はーい到着〜。じゃあ流李くん、また会いましょう〜……」
「うん…………早く会おうね……」
「んん〜〜???手を離してほしいなぁ、流李〜」
「…………」
「怖い…!!!怖いし痛いよお、流李くんッ!!!」
羽田本を教室まで連れて行き、志雫も自分の教室へ向かおうとするが、なぜか羽田本は志雫の両手を掴んで離さなかった。
「……消毒」
「バイ菌扱いしないのッ!?流李くん、お兄ちゃんなんだから、ちょっとは許してあげて…!」
「ちょくちょく夏休みのことは聞いてたけど、あんなに懐いてるなんて聞いてないよ…?京翔……気を許しすぎじゃない……?ねぇ、教えなよ…。詠瀬くんにどこまでさせたの……?」
「なんの話ッ!!??なんもさせてないし、アイツはそういうの分かるやつじゃねぇよ!!」
「とぼけないで京翔……!」
羽田本と志雫のやり取りは、まさにカップルの修羅場そのものだった。
通りすぎる生徒たちは、また2人がふざけ合ってるくらいに思い、素通りしていた。
「朝から賑やかだなー、お前ら」
志雫の後ろから、久々に聞く声がした。
「……っ、朱崎先輩!」
「おいおい羽田本〜、うちの大事な切り札なんだ。その手、離してくれないか?」
「…………」
羽田本は渋々、志雫の手を離した。
その表情は、『また余計なのが来た…』と言わんばかりに、不機嫌さがさらに増していた。
「うんうん。聞き分けが良くてよろしい」
「……先輩、なんで2年の教室に?」
「いや〜、俺もたまたま聞いてさ〜」
「?」
「お前、この夏休み詠瀬と遊んでたんだな〜。部活サボって」
ぽんっと肩に置かれた手の重さと、張り付いたような笑顔は、背筋が凍るような恐怖を感じた。
元々、部活はサボりがちだった志雫だが、確かにこの夏は1日も顔を出さなかった。
羽田本と詠瀬のことで頭がいっぱいだった志雫は、部活の存在をすっかり忘れていたことを思い出した。
「あ、あぁ〜〜……えぇ、とぉ〜〜〜……」
「志〜雫」
「はいぃッ!!」
「来月、他校との練習試合が決まってるんだ」
「は、はい……」
「遅れた分は、みっちり取り返そうな?」
笑顔が怖すぎて何も言い返せず、志雫は笑って誤魔化すしかできなかった。
「お、おお翼…。おはよう……」
「はい!おはようございます!」
とうとう長い夏休みが明けてしまい、今日から新学期が始まる。
久々の登校、久々のクラスメイトたちとの再会のはずなのに、初日の出だしを飾ったのは、夏休み中に見慣れた詠瀬だった。
少し日焼けをした健康的な肌色に、今まで学校では見せていなかった満面の笑顔。
詠瀬の様子の変化に、詠瀬のクラスメイトたちはもちろん、志雫と一緒にいた羽田本も困惑した。
「……随分嬉しそうだね?詠瀬くん」
「はい!夏休み、いっぱい先輩と遊べて楽しかったです!」
「そお………。君のおかげで、京翔の宿題はギリギリまで残ったし、僕は京翔と全然かき氷巡りできなかったけど」
「俺は先輩と食べましたよ、かき氷!先輩、今度は俺も青色のが食べてみたいです!ぶるーはわい?ってどんな味なんですか?…あ!でも、全部同じ味なんでしたっけ?」
「え〜〜、ははっ……」
志雫の両手を取り、嬉しそうにブンブン振りながら話す詠瀬。
横から漂う羽田本の険悪な視線に挟まれて、志雫は冷や汗をかいた。
「そ、その話は、また今度な!ほらほら!早く教室行かねぇと、全校集会遅れるぞ〜。ほら流李!ダッシュだ、ダッシュ〜…!」
「先輩〜!また行きますねー!」
志雫は羽田本の背中を押し、そそくさとその場から離れた。
「……はーい到着〜。じゃあ流李くん、また会いましょう〜……」
「うん…………早く会おうね……」
「んん〜〜???手を離してほしいなぁ、流李〜」
「…………」
「怖い…!!!怖いし痛いよお、流李くんッ!!!」
羽田本を教室まで連れて行き、志雫も自分の教室へ向かおうとするが、なぜか羽田本は志雫の両手を掴んで離さなかった。
「……消毒」
「バイ菌扱いしないのッ!?流李くん、お兄ちゃんなんだから、ちょっとは許してあげて…!」
「ちょくちょく夏休みのことは聞いてたけど、あんなに懐いてるなんて聞いてないよ…?京翔……気を許しすぎじゃない……?ねぇ、教えなよ…。詠瀬くんにどこまでさせたの……?」
「なんの話ッ!!??なんもさせてないし、アイツはそういうの分かるやつじゃねぇよ!!」
「とぼけないで京翔……!」
羽田本と志雫のやり取りは、まさにカップルの修羅場そのものだった。
通りすぎる生徒たちは、また2人がふざけ合ってるくらいに思い、素通りしていた。
「朝から賑やかだなー、お前ら」
志雫の後ろから、久々に聞く声がした。
「……っ、朱崎先輩!」
「おいおい羽田本〜、うちの大事な切り札なんだ。その手、離してくれないか?」
「…………」
羽田本は渋々、志雫の手を離した。
その表情は、『また余計なのが来た…』と言わんばかりに、不機嫌さがさらに増していた。
「うんうん。聞き分けが良くてよろしい」
「……先輩、なんで2年の教室に?」
「いや〜、俺もたまたま聞いてさ〜」
「?」
「お前、この夏休み詠瀬と遊んでたんだな〜。部活サボって」
ぽんっと肩に置かれた手の重さと、張り付いたような笑顔は、背筋が凍るような恐怖を感じた。
元々、部活はサボりがちだった志雫だが、確かにこの夏は1日も顔を出さなかった。
羽田本と詠瀬のことで頭がいっぱいだった志雫は、部活の存在をすっかり忘れていたことを思い出した。
「あ、あぁ〜〜……えぇ、とぉ〜〜〜……」
「志〜雫」
「はいぃッ!!」
「来月、他校との練習試合が決まってるんだ」
「は、はい……」
「遅れた分は、みっちり取り返そうな?」
笑顔が怖すぎて何も言い返せず、志雫は笑って誤魔化すしかできなかった。
