寝てる凪紬くんを抱っこしてベッドまで連れて行く。
そのままお布団をかけて凪紬くんに小さくおやすみそう声かけて、ぼくは部屋を後にした。
自分の部屋に帰ってきた。
頭の中にあった洋服のイメージをデザインにしてクマのぬいぐるみの完成図を絵にできた。
今日はここまで、明日から本格的な作業をしよう、そう思いベッドに入った。
朝起きて、今日から布を裁断して本格的な作業に入ろう。
そう思いながら大学に行く準備をしてた。
「たろちゃ――ん」
玄関から凪紬くんの声がする。
あれ?と思ってベッドサイドにある机にカバンは置いたまま、ドアを開けたら目の前に凪紬くんがいた。
「たろちゃんおはよー昨日はぼくのことベッドまで連れて行ってくれた?」
昨日の口数が少なくて少しだけ暗い顔してた凪紬くん。
今日は朝からニコニコして笑顔の凪紬くん。
良かった。
寝たら治ったのかもしれない。
ホッと息を吐く。
「凪紬くんおはよ。うん。凪紬くん起こしたら悪いかな?と思って」
「ありがとう。ぼく重くなかった?」
ちょっとだけ心配そうな顔して聞いてくる。
「全然重くなかった。たろう身長あるし、力もあるもん」
腕を上げて力こぶあるよとか言いながら伝える。
「朝起きた時、たろちゃんが運んでくれたんだと思ったらぼく嬉しかった。ありがとう。ね!朝ごはんどうする?パン食べる?おにぎりにする?」
ぼくが大好きな凪紬くんのほんわかした笑顔。
それが見られてぼくも安心できた。
お勉強大変で疲れちゃう日もあるのかもしれない。
この前は、凪紬くんに内緒で行くのやめて心配させちゃった。
今度からは様子見ながら凪紬くんがきつそうな日は早めに帰ろうそんな風にも思った。
「たろうはなんでもいいよ。凪紬くんは食べたいのある?」
「今日はたろちゃんが作るおにぎり食べたい」
キッチンに行き、炊飯器から炊き立てのご飯を取り出す。
そのままおにぎりを握り始める。
ぼくががおにぎり握ってる間、凪紬くんはテーブルにお盆を置いたりお箸を置いたりしてくれる。
いつもの光景。
「たろちゃんテーブルセッティング終わったよ」
凪紬くんはそう言いながらキッチンに入ってきて、ぼくの隣にぴったりとくっついてる。
「凪紬くんありがとう。今日の具材はツナマヨにしたよ」
「ふふっ。ありがとう。たろちゃんのおにぎりぼく大好き」
「たろうは凪紬くんが作ってくれるカレーが好き」
「じゃあ今日はカレーにする?ぼく作る」
凪紬くんが「はーい任せて」と手を上げてくれる。
「たろう楽しみ!帰ったらご飯だけ先に炊いとくね。他にお野菜切ったりすることある?」
「大丈夫。今日はぼくが作ったのたろちゃんに食べてもらいたい。たろちゃん作業あるでしょ?帰ってそれして欲しい」
おしゃべりしながらも手は止めない。
どんどんおにぎりを握っていく。
その間も凪紬くんはたろうの隣にいて海苔を出してくれたりお皿を出してくれたりしてくれる。
ずっとぼくの隣から離れない。
(隣に凪紬くんの体温感じられるのて……なんかいいな)
完成したおにぎりを2人でテーブルに運ぶ。
向かい合わせに座って一緒に手を合わせていただきます。をしてから食べ始めた。
凪紬くん、あっという間に完食してくれた。
昨日のことがあったから凪紬くん食欲どうかな。と少しだけ心配してた。
でも今日は回復してそうでよかった。
ご飯を食べて一緒に食器を洗って大学に行く。
2人で肩を並べて家を出る。
並んで歩きながら今日勉強することや今気になってる映画のことなんかを話す。
大学最寄りの駅を降りる。
今日はまだ少しだけ時間に余裕がある。
こんなときはぼくが少しだけ遠回りをして凪紬くんの大学まで一緒に行ったりする。
スマホで時間を確認したらまだ時間もあるし、昨日の様子が少し変だったも気になり凪紬くんの大学行ってから行こうそう決めた。
駅の改札口を出る。
ぼくは右に凪紬くんは左に向かう。
普段だとそうなる。
だけど、今日は凪紬くんを送っていこうそう思ってたから左に体の向きを変えた。
凪紬くんは反対に右に向かおうとしてて、2人で交差する形になる。
「凪紬くん?大学こっちだよ?」
いつものように左側の方向を指差す。
「今日はぼくがたろちゃんを大学に送ってから行くからこっちであってる」
凪紬くんがぼくの右腕を掴んで、こっちと右側にぼくの体を向けさせる。
「でも凪紬くんこっちだと、また駅に一旦戻ってきて大学行くことになるから大変だよ」
「いいの!今日はぼくがたろちゃん送るの」
一歩も引かない凪紬くん。
やっぱり凪紬くんにちょっぴり変だな。
疲れてるのかもしれない。
少し心配だけど凪紬くんの行動止めるの。思ってお願いすることにする。
「ありがとう。凪紬くん。じゃあたろうのこと送ってください」
そう伝えたら、にっこり笑って満足そうに歩き出す凪紬くん。
「ぼく、あんまりたろちゃんの大学行ったことなかったから見て見たかったの。普段ぼくの大学にたろちゃんがよく来てくれるけどぼくもたろちゃんが行ってる場所知りたい」
ぼくの大学に凪紬くんが行くのは駅まで戻る必要がある。
ぼくは反対に凪紬くんの大学に行くのは駅に戻らず大学をさらに進んで大通りに出て小道を進めば抜け道がある。だからぼくが凪紬くんの大学に迎え行くか、駅で待ち合わせをすることが多い。
そのパターンで固定してきてた。
(凪紬くん、たろうの大学に興味ありありだったんだ)
ぼくの胸がとくっん。と高鳴った。
「凪紬くん。秋の学園祭には来るでしょ?」
「もちろん行く。たろちゃんが作った洋服見るためにいく。たろちゃんのパパさんとママさんとも行く約束してる」
凪紬くんはたろうのパパとママとも仲良いからたろう嬉しい。
3人ともたろうが作る服をみていつも喜んでくれる。
2人で大学までの道のりを歩くのも新鮮な感じ。
高校時代に戻ったみたい。
ぼくのカバンにも凪紬くんのカバンにもクマちゃんのぬいぐるみがつけてあるからそれが目に入る。
早く新しいクマちゃんを作って凪紬くんに渡したい。
告白やり直し頑張る。の気持ちにもなる。
校門に着いたら、凪紬くんが立ち止まる。
「じゃあ。たろちゃん勉強頑張ってね。ぼく今日最後の授業実習だから先に帰ってて」
「凪紬くんありがとう。駅まで帰る?たろうが普段使う抜け道教える?」
「ううん。迷いそうだから駅まで帰ってからいく。大丈夫だよ。たろちゃんありがとう」
凪紬くんそう言いながらチラチラと、校門を通る学生をみてる。
何か気になるのかな。
「凪紬くん?何か気になることある?」
「ううん。何もない。じゃあまた帰る時に連絡するね」
「あっ……たろう心配だから大学着いたら連絡欲しいな」
ぼくが凪紬くんに伝えたら、凪紬くん大きな目をちょっぴり見開いた。
その後にぼくの好きな向日葵のような周りを明るくする笑顔を見せてくれた。
「わかった。じゃあたろちゃんぼく行くね」
凪紬くん手を振りながらぼくに背を向けて歩き始めた。
凪紬くんきちんと駅までいけるかな。
心配になってぼくは、凪紬くんが見えなくなるまで見送ってた。
「朝から仲良いねぇー」
肩が跳ねた。
急に隣から声が聞こえてびっくりした。
「『たろう心配だから大学着いたら連絡してほしいな。』なんてもう彼氏じゃーん。あっまぁ――い恋人同士の会話を朝から聞いた感じじゃぁ――ん」
ぼくの隣でニヤニヤしてるさっちゃんがいた。
今日は青い髪の毛じゃなくて、ピンクのウィッグをつけてボムみたいにしてるさっちゃん。
「さっちゃん今日髪の毛違う」
「そっ。いいっしょ。今日は白いワンピースが着たかったから髪の毛はピンクのウィッグにして見ました。どう?似合う?」
ぼくの目の前でフリルがたくさんあしらわれたワンピースを風に揺らしながら一周してくれるさっちゃん。
「うん。似合うし可愛い、ピンクの髪でワンピースがさらに映えるね」
さっちゃんは着たいお洋服に合わせて髪の毛やネイルを変えたりするとってもおしゃれさん。
ぼくも毎日さっちゃんの洋服を見るのが楽しみになってる。
「そうっしょ。だから今日はピンクにしたよぉ。ネイルは昨日のピンクだしバッチリだよねぇ。て!そんなことはいいの!あれがなっちゃん?超絶可愛いんですけどぉ。あんな可愛い子をたろー独り占めしてんの?」
さっちゃんが、なっちゃんかわいい――!と言いながら足をジタバタさせてる。
「さっちゃんいつから見てたの?」
ぼくさっちゃんが歩いてたの全然気が付かなかった。
「ん?歩いてたら前にたろーいるなと思って声かけようかと思ったら隣に可愛い男の子がたろーにピッタリくっついて歩いてるじゃん。これもうなっちゃんしかいない!そう思って私後ろからこそーっと近づいて歩いてたの」
さっちゃん自信満々に朝からいいことした!みたいな満足そうな顔してる。
「なっちゃん可愛いし、たろーもなっちゃんの前だと男らしくしてるし、もう私2人見てキュンキュンしたよねぇ。なっちゃん校門でたろーと離れたくなさそうな顔してるしなにもう可愛すぎるんですけどぉ」
2人で講義室を目指して歩き始めるけど、さっちゃんの興奮は止まらずなっちゃんまじ可愛い!これはみんなにも報告せねばなんて言ってる。

