凪紬くんに告白する方法が決まった。
クマちゃんを作るため、早速今日帰り手芸屋さんに寄って帰ることにした。
「たろー今日手芸屋いく?」
帰ろうとカバンを肩にかけてた、ぼくに話しかけてるさっちゃん。
「うん。クマちゃんのデザインはできてるから布とかお洋服になりそうな生地とかみたいなと思って」
「それなら私も行く。ちょっと昨日デザインした服のボタン探したいなと思ってたんだよねぇ」
さっちゃんもノート達をカバンになおしながら、「よし!じゃあ行こう」とカバンを手に持って立ち上がる。
その時ぼくのスマホがブブブと鳴った。
「さっちゃんちょっと待って。メールきたみたい」
画面には凪紬くんからのメッセージ。
『たろちゃん今日は遅い?なにしてるの?』
凪紬くん今授業の合間なのかな?そんな風に思って、画面を見ながらニヤニヤしちゃう。
「なに、なに。愛しのなっちゃん?」
さっちゃんがニヤニヤしながらたろうが手に持ってる画面を指差してくる。
「うん。凪紬くん。今日帰り遅い?何してるの?って」
「たろー手芸屋行くのは内緒にすんの?なっちゃんにサプライズ必要じゃん」
さっちゃんの言葉にスマホ片手に悩む。
いつも手芸屋さん行った後は凪紬くんに買ったものとか見せてる。
でも……今日は行く用事は……。
凪紬くんに内緒でクマちゃんを作るから。
驚かせて告白するための材料だし。
(凪紬くんにどう返事しよう)
凪紬くんに怪しまれることはしたくないな。
「たろういつもお店行ったら、凪紬くんに、このデザイン作るためにこの布買ったとかこの布買ったからこのお洋服作るのとか伝えてる……」
「あちゃー。2人の間に隠し事はないってわけねぇ。いいねぇ。でも今回はなっちゃんに内緒にしなきゃじゃん?たろーできんの?」
さっちゃんにそう言われた。
(凪紬くんに隠し事?……たろう……したくない)
「たろう……これまで凪紬くんに隠し事とかしたことない」
「クマちゃん作ることだけ言っちゃう?」
「それしたら、たろうきっと凪紬くんにくまさんお揃いで作って手を繋がせて2体で1つにするって話しちゃう」
「あちゃちゃ。それまた告白失敗になんじゃん。よし!たろー今回だけはサプライズ必須!だから頑張って完成まで黙ってること」
さっちゃんが手で顔を覆ったあとに、ぼくの方をみてぼくにビシッと指をさす。
「クマちゃんは告白大作戦に絶対必要なアイテムだから完成まで隠し通すこと!ここ大事なポイント」
真剣な顔でさっちゃんがぼくを見てくる。
ぼくもゆっくり静かに頷く。
スマホに視線を戻して、少しだけ指を動かす手を止める。そのまま静かに指を動かす。
『ちょっと遅くなるかも。ご飯はお弁当凪紬くんのも買って帰るね』
凪紬くんにはそれだけ返事をした。
スマホをカバンに入れる。
そのままカバンを肩にかけてさっちゃんと一緒に講義室を出て駅に向かった。
少しだけカバンにあるスマホが重たく感じた……気がした。

