ドキドキ大作戦


 今日は朝から凪紬くんと一緒に出かける。

 朝ごはんは2人とも気になってた喫茶店のモーニングを食べることにしている。
 凪紬くんを迎えにいく前に洗面所の鏡で最終チェックをする。

 グレーのインナーを着て、凪紬くんとお揃いで買ったカッターを羽織に使って、ワイドのデニムの裾を折り曲げてみる。凪紬くんと並んでもおかしくないコーディネート。

 鏡を見て、うんよし。とうなずく。
 
「たろち――ん」

 洗面所にいたら玄関から声が聞こえる。
 洗面所から顔を出すと、凪紬くんが玄関に立ってた。
 
「凪紬くんおはよ。たろうがお迎え行ったのに」
「いいの。ぼくが早くたろちゃんに会いたくてもう来たの」

 凪紬くんに声をかけながら、洗面所から廊下に出てリビングの椅子に置いてあるカバンを取りに行く。
 そのままドアをしめて玄関に向かう。
 
「わぁー今日のたろちゃんかっこいいね」

 ぼくの服をみて凪紬くんが手を叩いて褒めてくれる。

 嬉しいのと恥ずかしいの気持ちが少し入り混じる。
 
「ありがとう。凪紬くんも似合ってる」

 昨日ぼくがコーディネートした服を着こなしてる凪紬くん。
 凪紬くんは柔らかい雰囲気だから、カーディガンがよく似合う。

 凪紬くんの優しさと可愛らしさがさらに引き立つ。
 
「へへっ。お揃いで買ったカッターも似合ってていいね。今日のお揃いのコーディネート嬉しいな」
 凪紬くんが笑顔でそう言ってくれるから、ぼくも嬉しくなり自然と笑顔になる。
 
「じゃあ行こっか」
 ぼくも靴を履いて凪紬くんと一緒に玄関を出る。

 2人で並んで歩きながら駅まで向かう。

 電車に乗り、大型のショッピングモールがある駅で降りる。
 そのままショッピングモールには向かわずにその道沿いにあるになってた喫茶店に入り朝ごはんを食べた。
 

「お腹いっぱ――い」
 お店から出て凪紬くんがお腹をさすりながら話してる。

「美味しかったね。トースターがさっくさくで食べやすかったし」
「ぼく2枚も無理と思ったけど半分たろちゃんが食べてくれて良かった。コーヒーも美味しかった」

「凪紬くんがコーヒー飲んでるの見てかっこいいと思うけど、たろうはまだまだお子ちゃまだぁー。オレンジジュースが美味しいもん」
「ふふっ。たろちゃんはそれでいいんだよ。」

「でも……ぼくも凪紬くんが飲んでるの好きになりたい」
「じゃあ今度牛乳入れてカフェオレしてみよっか」

 凪紬くんが立ち止まってぼくの顔を見てそう提案してくれる。

「飲みたい!たろうも凪紬くんが好きなの好きになりたい」
「じゃあ今日帰りに牛乳買って家でしよう」

 凪紬くんの顔を見ながら頷いた。
 
 歩きながらそんな話をしてたら、ショッピングモールの入り口に着いた。

 2人で案内版をみて、凪紬くんが買い物したいお店とぼくが行きたかった本屋さんは同じフロアにあった。
「同じフロアにあるから、一旦お互い自分の買い物する?終わったら合流してそれから色んなお店みよっか」
 凪紬くんがそんな風に提案してくれる。
 
「うん。その方が気を使わずに欲しいもの選べるよね。終わったら合流して色々2人でみようね」
 そう決まって2人でエレベーターを使い目的のフロアに行く。

 エレベーターを降りたら、目の前にぼくが行きたかった本屋さんがあった。

 通路の反対側に凪紬くんが買い物をしたいお店があった。
 エレベーター前で一旦別れてぼくは本屋さんに向かった。


 本屋さんで洋服のコーナーを見ていたら、後ろから肩を叩かれた。

 ん?凪紬くんもう終わった?そう思い振り返る。

「凪紬くんもう終わった?」
 凪紬くんが後ろにいると思ったらそこは、青色の髪を巻いて、薄い水色のブラウスに白のバルーンスカートを履いたさっちゃんがいた。

「あっ……さっちゃん」
「たろーやっほー」

 ぼくの顔の前で手を振ってるさっちゃん。

「今日のブラウスとスカートも可愛いね。それ新作?」
 ぼくが聞いたら、さっちゃん満足そうに頷いてる。

「そう。いいっしょー。白のバルーンスカート履きたくなってブラウスまで作った」
 スカートをつまんで見せてくれるさっちゃん。

「ところでたろー何してんの?」
「あっ……凪紬くんと買い物にきてて、凪紬くん実習に必要なもの探しててたろうはお洋服の本見たかったから今別行動中なの」

 そう伝えたら、さっちゃん胸の前に手を重ねてキラキラした興味津々の顔をしてる。これはさっちゃんが楽しいことを見つけた時の顔だ。

「うっそぉ――。てことは私なっちゃんに会えちゃう?」
 ぼくにそう聞いてくる。
 
「たろうが、凪紬くんに告白したらちゃんとさっちゃん会ってくれる?たろう、きちんと恋人って凪紬くんを紹介したい」
 さっちゃんにそう伝えてる。

「きゃ――!なにそれぇ――!最高じゃん」
 さっちゃん大興奮でぼくの肩をバシバシ叩いてくる。

「恋人になってからちゃんとみんなに会わせたいってわけねぇ。いいねぇ。青春だねぇ――!」
 未だにぼくの肩を叩いてくるさっちゃん。

「さっちゃん痛いよ」
 ようやくさっちゃんの興奮がおさまった。

「たろーがんばんなね。私早く恋人ですって紹介されたなっちゃんと会いたい。待ってるね」

 そう言ったらさっちゃんはぼくに手を振りながら本屋さんを出て行った。

 (たろうの恋人の……って紹介できるんだ)

 さっちゃんにそう紹介してる姿を頭の中で思い浮かべたらくすぐったい気持ちになる。

 あれ?凪紬くんまだ終わってない?

 時計を見たら随分時間が経ってる。

 心配になってスマホを取り出し電話をかける。


 出ない。


 凪紬くんどうしたのかな?まだ時間かかるのかな?


 (珍しい……)


『たろう買い物終わったよー。凪紬くんは?』

 メールをしてみた。