春風、君を待つ

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同棲して一年、社会人生活も二年目に差し掛かろうとしたころ、僕はプロポーズを決意していた。
どんな指輪を贈ろうか。結婚指輪は二人で選ぶのもいいけれど、まずはとびきり澄花に似合うものを、僕が選んで贈りたい。どこでプロポーズをしようかな。
そんなことを、ずっと考えていた。
喜んでもらえる姿を想像しながら準備をするのは、純粋に楽しかった。
澄花がいつも僕のために予定を立ててくれるときも、きっとこんな気持ちなのだろう。
プロポーズの日は「3月30日」と決めた。 本来なら出会った日に合わせたかったけれど、純花の「3」という数字への想いを聞いたら、3月の方が良いような気がした。二人を始めるのに、これ以上ないベストなタイミングだ。それに、今年の30日は金曜日。
澄花は出勤日らしいけれど、休日を無理に飾るよりも、仕事終わりの金曜の方が彼女も受け取りやすいのではないかと思った。もし嫌がられたら、土日にでも改めてやり直せばいい。そんな呑気なことを考えながら、窓の外に目を向ける。
アパートの前の桜は、もう開花を目前に控えていた。
そして__その日は、静かにやってきた。