共有させて、ワカハちゃん

(待て待て待て! 展開が早すぎる! これが田舎の挨拶なのか!? 挨拶でこれなら、結婚とかどうなっちゃうの!?)


佐藤のパニックを余所に、ワカハの動きは事務的ですらあった。彼女は佐藤をマットに座らせると、自分は膝をつき、上目遣いで彼を見上げた。その体勢のおかげで、ブラウスの隙間から、カポエイラで鍛えられた弾力性のありそうな胸の谷間が露わになっている。


「……初めて?」
「あ、いや、その、何が……」
「……全部。……怖がらなくていいよ。……んっ」


ワカハの顔が近づく。温かい吐息が太ももに触れ、彼女の豊かなバストが、佐藤の膝にずっしりと重みを預けてくる。そして——。


「(……っ!?!?!?)」


佐藤の脳内で何かが弾けた。ワカハの口内は、驚くほど熱く、吸い付くように柔らかかった。窓の外では、夕暮れのヒグラシが狂ったように鳴き、古い倉庫の中には、湿った空気と二人の呼吸の音だけが響く。


ワカハは奉仕を続けながら、時折、恍惚とした瞳で佐藤を見上げた。そして、ふと顔を離すと、潤んだ唇で一首詠み上げた。


「初な(ういな) 君の震えを 舌に乗せ ジンガのリズム 溶けて混ざりぬ」


(短歌!? この状況で、短歌なのかよ!?)


結局、佐藤は、ワカハの口の中で果てた。最後の一線までは越えなかったが、その圧倒的な快感と、事後のワカハの「……ふぅ。今日はこれくらいだね。明日からは、クラスの皆とも仲良くしてね」という淡白な態度は、佐藤の心に消えない杭を打ち込んだ。


この日を境に、佐藤は「狂った村の「共有される日常」へと足を踏み入れることになったのである。