共有させて、ワカハちゃん

その夜、レイカは「プロジェクトの打ち合わせ」と称して、佐藤を村で唯一の高級旅館へと呼び出した。そこにはワカハの姿はなく、静寂と高級なアロマの香りが漂っていた。

「……驚いたわ。あんな未開な土地で、あなた、すごく『男』になったのね」

レイカはシルクのガウンを緩く纏い、佐藤にグラスを差し出す。彼女の誘惑は、ワカハのような野生的で真っ直ぐなものとは対極にある、計算され尽くした「都会の技術」だった。

「ワカハさんのような子には、あなたの本当の価値は分からない。彼女が知っているのは、狭い村のリズムだけ。……私が、本当の『洗練された悦び』を思い出させてあげる」

レイカは佐藤をソファに押し倒し、熟練した手つきで彼の身体を解きほぐしていく。彼女の唇が通るたびに、佐藤の脳内に都会の喧騒と、贅沢な暮らしの記憶がフラッシュバックする。

しかし、その快楽の最中、佐藤の脳裏に浮かんだのは、泥にまみれてジンガを踏むワカハの、あのひたむきな姿だった。

「(……違う。……僕が求めているのは、こんな『完璧なサービス』じゃない……!)」

佐藤はレイカを突き放した。驚きに目を見開くレイカ。

「……レイカさん。都会の夜は、確かに綺麗だ。でも、あのアスファルトの下には、冷たい土しかない。僕は、泥臭くても、ワカハさんの温もりがある、この村のジンガを選びたいんだ」

佐藤の拒絶に、レイカの表情が冷酷な「ビジネスマン」へと戻った。

「……そう。なら、力ずくで奪うしかないわね。明日の朝、強制収用の手続きを開始するわ。……ワカハさんは、見せ物として檻に入れられることになる」

「洗練の 蜜に溺れし 一夜(ひとよ)より 泥に咲く花 君を求めて」