共有させて、ワカハちゃん

放課後、夕焼けが校舎をオレンジ色に染める頃。佐藤は約束通り、旧校舎の裏にある備品倉庫の前に立っていた。


(「放課後、ここで待ってて」……。これ、冷静に考えたら完全に告白のシチュエーションだよな? いや、でもあのワカハさんの態度、全然デレてなかったし……。もしかして、田舎特有のカツアゲ!? 都会から来たからって目をつけられたのか!?)


心臓が太鼓のようにうるさく鳴る。和也のように「いやいや、そんなわけないだろ!」と「でももしそうだったら!」を何度も脳内往復させていると、ギィ……と錆びついた扉が開いた。


中にいたのは、制服のタイを外し、さらにブラウスのボタンを三つほど外したワカハだった。床に敷かれた古いマットの上で、彼女はカポエイラの低い構え「ジンガ」を繰り返している。


「遅い。……10分待った」
「ご、ごめん! 迷っちゃって……」
「……脱いで」
「……えっ?」


佐藤の思考が完全にフリーズした。聞き間違いであってほしい。だが、ワカハは無表情のまま、佐藤のベルトに手をかけた。


「……暑いでしょ、ここ。あと、緊張して固くなってると、上手く『入らない』から。……私が、この村の遊び方を教えてあげる」


ワカハの指が佐藤の肌に触れる。その指先は、カポエイラの練習のせいか少し固く、そして驚くほど熱かった。