共有させて、ワカハちゃん

一方、ワカハは祭りの準備という名目で、村外れの古い社(やしろ)に監禁されていた。外界との接触を断たれ、身を清めるための冷水を浴びせられる毎日。

「……佐藤くん。私のジンガ、……あなたに届いてる?」

薄暗い社の中で、ワカハは一人、全裸でステップを踏んでいた。その肌には、神の所有物であることを示す朱色の紋様が、今や全身に広がっている。

ある雨の夜、佐藤はミオの手引きで社の屋根裏から忍び込んだ。再会した二人は、言葉を交わす暇もなく、激しく求め合った。

「……佐藤くん。……体が、熱い。……村のリズムじゃなくて、あなたのリズムで、私を壊して」

雨音にかき消されるような、密やかな情交。ワカハの体は、監禁生活のストレスと恐怖で、驚くほど敏感になっていた。佐藤は彼女の肌に刻まれた呪わしい紋様を、自らの口づけで上書きしていく。

「暗闇に 雨の調べを 背に受けて 君を奪わん 泥のジンガよ」

ワカハが詠み上げたのは、神への奉納ではなく、一人の男への「背信」の誓いだった。