そんなキャパオーバー日帰り旅行から数日が過ぎ文化祭当日。
朝、教室に入ると、クラスメイトが集まってきた。
なんか泣いてる⋯。
「みなとぉー、ありがとう。」
「アイドル科と文化祭できるなんて⋯ありがとな⋯。」
なんかこの光景を見たことあるような⋯。
デジャヴか?
湊「いや僕は何もしてないよ⋯!」
皆が嬉しそうなのは良かった。
僕のクラスは展示物だけなので今日は終日自由時間。
どこを回ろうかなとパンフレットを見ようとした瞬間、なんだか廊下が騒がしくなった。
ラン「よう!湊!迎えにきたぜ!」
キャーーーーー!!!
取り巻きの雄叫びが。
湊「わっ来てくれたの!?あっ皆いる!」
セイ「おはようございます。湊さん。」
レン「おはよー。」
ラン「(にこにこ)」
はっ。クラスメイトの熱い視線を感じる。
湊「あああ、おはよう⋯。えーと。廊下出ようか。」
急いで教室から出た。
レン「湊くんは何か見たいところある?」
湊「まだパンフレット見てないんだ。どこが良いかな?」
セイ「そうしましたらアイドル科に生物部が無いので、よければ行きたいのですが⋯。」
湊「いいね!行こう!」
生物部の出し物は生物室で行われていた。
魚やカニ、昆虫などたくさんの生き物がいた。
生き物の解剖ショーが始まって勉強熱心なセイくんは興味津々。
レン「湊くん、黒板前では亀レースやってる。見に行こう。」
湊「わー可愛いね。」
レースが終わるとランくんが僕の袖をツンツンと引っ張った。
どうやら金魚釣りがあるようで指をさしている。
本物の金魚だ!
去年は全部回れなくてこんな楽しい出し物があるなんて知らなかった。
ガイ「これ俺、得意!」
と子供のようにはしゃいでいて可愛い。
ガイ「やったぜ!たくさん捕れた。釣れた金魚は持って帰れるの?」
店番の子「はい♡ここにいる金魚全部どうぞ♡」
目がハートになってる。
きっとファンなんだろうな。
ガイ「えっと。そしたら二匹でいい。あとで店番しに行かないとならないから後で取りに来てもいい?」
店番の子「はい♡」
金魚に負担をかけないようにしている。
ガイくん優しいな。
生物部の隣の教室にお化け屋敷があった。
ランくんがスッと並び始めた。
ガイ「そういえば、ランってこういうの好きだもんな。一緒に並ぼうぜ。」
実は僕はお化け屋敷苦手!
でもランくんが好きなら頑張るしか⋯。
レン「ルールは⋯。ここに書いてある!お札を指定の場所に置くんだって!」
セイ「順番がきたみたいですよ。入りましょう。」
うっ真っ暗!
何も見えないってめちゃくちゃ怖いんだよな⋯!
ヒュードロドロドロー!
湊「ひっ!」
音楽が流れただけでビビってしまった。
レン「ん?もしかして苦手なの?守ってあげるね 。」
と小さな声で聞いてきたと思ったら手を繋いでくれた。
うわ!レンくんの頼りがいのある手が。
また違うドキドキが!
ガイ「ここに札を置くんだな。」
プシューー!!
勢いよく白い煙が噴射された。
湊「わーー!!」
怖さで目の前にいるガイくんに思わず抱きついてしまった。
それを見ていたレンくんがキャーっと言って僕に抱きついてきた。
紛れてセイくんもランくんも抱きついてきた。
ガイ「こら!お前ら湊にくっつきたいだけだろ!」
うわああ。抱きしめられてる!
待ってくれー!
お化け屋敷の怖さと推しに触れられていて頭がパニック!
あ〜皆良い香りする⋯。
じゃない!もうダメだ!処理できない!
混乱のまま終わった。
レン「ああ楽しかったね。午後から僕達、お店開くから後で来てね。」
そう言うと、アイドル科校舎へ戻っていった。
もう少しでお昼の時間だな。
せっかくだからアイドル科の模擬店を見に行こうかな。
渡り廊下へと向かった。
どうしてかこのアイドル科と繋ぐ禁断の渡り廊下を渡るのは緊張しちゃうんだよな⋯。
と考えていると目の前に行列が出来ていた。
んー何だろう。
その行列は階段上まで続いているようで、上がっていくと生徒会の出し物があった。
ふと窓の外を見たところ、この列は校舎にまで伸びていた。
え!すごい人気なんだけど!
何のお店?
『生徒会 執事喫茶店』
え!生徒会の出し物は執事喫茶店なの!?
ちらっと中を覗いてみると執事ぽい格好をした皆が「おかえりなさいませ。」とお迎えをしたり、天井にはシャンデリア、クラシックがかかった空間でアフタヌーンティーの説明をしたりしていた。
テーブルのハンドベルを鳴らしている人も。
レン「いかがいたしましたか?」
と駆け寄って首を傾げていた。
その姿にときめいて生徒みんなの目がハートに。
さすが国民の弟!
可愛すぎる!
目がハートに共感していると、そこへ僕に気づいてくれてセイくんが近寄ってきた。
セイ「おかえりなさいま⋯ではなかったですね。湊さん。来てくれて嬉しいです。」
湊「大盛況だね!さすがに入れなさそうだね。」
セイ「ごめんなさい湊さん。せっかく来ていただいたのに。夕方で喫茶店は終わりますので後夜祭を一緒に過ごしましょう。校庭で待っていてくださいね。」
湊「後夜祭も一緒に居てくれるの?嬉しい!ありがとう!待ってるね!」
カッコいい皆が見られてホクホクしながら夕方を待った。
後夜祭の時間になり、校庭に皆が来てくれた。
こんな人混みの中でも光り輝いていてすぐに見つけることができた。
夕方でも眩しい!
ガイ「よう湊!お待たせ!」
校庭ではテントにいる放送部が音楽をかけていた。
ストラックアウトや輪投げやヨーヨー釣りもあって夏祭りみたいな雰囲気。
横にはステージもあり、漫才やバンド演奏やダンスなどをやっていた。
レン「そういえば文化祭の投票した?」
湊「そういえば下駄箱のところでパソコン入力に協力してくださいってあったね。」
ガイ「あれで1位になったらご褒美くれ。」
レン「今回はねー。明日の学校帰りに僕達が生まれ育った街に来てくれる?見せたいものがあるんだよね。」
湊「え?そんな1位とかなくても行くよ!というか行きたい!」
セイ「明後日に取材があるのでその前に下見をしようと思いまして。」
と、話していると、ある曲が聴こえてきた。
セイ「今かかり始めた曲!私達の曲じゃないでしょうか?」
ガイ「お、ステージ空いてるじゃん。歌っても良いのかな?」
と、曲をチョイスした放送部を見るとステージ上がってと合図をしている。
レン「やったー!湊!ちょっと行ってくるね!」
ラン「(にこにこして手を振ってくれてある)」
え?行ってくるって歌ってくれるの?というか歌ってくださるの?
キャーーーーー!!!!!
ステージに人がめちゃくちゃ集まってきた。
校舎の窓からも生徒たちがステージを見ている。
凄い人だかりでライブ会場のよう。
「ガイー!」「セイくーん!」
「レンレンー!」「ラン様ー!」
歌が始まると生徒たちは推しメンバーの名前を呼んだり合いの手入れたりしている。
うわああ!やばいよー!
ドーム級のアーティストのライブをこんな近くで見られるなんて!
『〜♪湊が好きっ♪〜』
キャーーーーーー!!!
え!?メンバー全員が僕のこと見てる!!
気のせいだろうか。
いま僕の名前が入っていたような!?
そこの歌詞は『君が好き♪』だったよね!
いや『皆』って言ったんだよね?
そうだ、きっと聞き間違いだ!
と顔を赤らめていると曲が終わった。
キャーーーーーー!!!
パチパチパチパチ
「アンコール!アンコール!」
放送部の方を見るとOKマークを出している。
ガイ「皆アンコールありがとな。じゃあもう一曲。」
文化祭でも全力で歌って踊っている。
生徒たちもキラキラしていて、めちゃくちゃ盛り上がっている。
周りにもパワーをくれるの凄いよ!
一体感もあってこんな楽しい文化祭は初めてだ!
なんて贅沢な文化祭だろう!
曲も終わり感動を噛み締めていると、続けて文化祭の出し物の順位が放送部から発表された。
もちろん1位は生徒会。
すっごい行列だったもんね。
大盛り上がりの中、文化祭の幕を閉じた。
