最果ての地で

 高校2年になる春に、父親の仕事の都合で埼玉の高校を退学した。成績のいい君にやめてもらうと困る――とか、国公立の人数が――ウンヌンとか、先生から哀しみの目を向けられた。ごめんな。僕は、ここに大学の実績にひかれて入ったわけじゃないのだ。

 ――僕は、春から、愛知県の最果高校の2年生になる。ちょっとヤバそうな名前だが、まあスクールライフは充実したものになる……だろう。

「よし」

 荷物をまとめて外に出た。思わず深呼吸した。ぽかぽかと暖かい昼下がりだった。
 今日から三日で愛知へ引っ越し、生活も安定してきたら、――その時は、どんなに幸せな気持ちになるだろう?

 ……ああ、楽しみで仕方がない!