「幸せを求めた不幸たち」

「翔之介?」
呼びかけながら翔之介の方を向くと、昇り始めていた朝日が翔之介の輪郭を浮かび上がらせていた。私の声に、翔之介が振り向く。
「ん?」
「幸せって、なに?」
翔之介は少し考えてから言った。
「すぐに答えが出ないもの」
「いつかは答えは出るってこと?」
翔之介は静かに頷く。
「花乃は?」
「幸せって、不幸だと思う」
「どういう意味?」
翔之介は眉間にシワを寄せて、首を傾げる。
「そのまま」
私の返答に、翔之介は頬杖をついた。
「幸せって、誰かが望めばものすごく大きな力が働くせいで、誰かが不幸になるじゃん。」



※ この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは関係ありません