慰問から数日後、部屋に彗斗がやってきた。複雑そうな顔をしているのは、懇意にしている華絵をしずくが出し抜いたのだとでも思っているからだろうか。東城の家に来てから、少しずつ周りの人たちと信頼関係を築くことができていると思っていたが、夫である彗斗とは少しも打ち解けられていなかった。
華絵がたびたび通ってきているようなので、いつか妾にでも迎えるつもりなのかもしれない。
「しずく殿、少し話がしたい」
「どうぞお入りください」
腕にさくらを抱いている。さくらはしずくの姿を見ると、嬉しそうに飛び降りてその膝の上で丸くなった。
「お茶を淹れてきましょう」
「いや、あなたは行かなくていい、誰かに淹れてもらおう」
「毒なんか入れませんよ」
冗談で言ったつもりだったが、彗斗は真に受けたようだった。
「疑ってなどいない。ただ、あなたに聞きたいことがある」
彗斗は真っ直ぐにしずくを見た。思えば、初めて顔を合わせたような気がする。
「慰問の日、華絵の様子はどうだった?」
「創部を見て気分を悪くされたようです。慣れない方なら当然の反応ですよ」
「あなたは慣れていたのか」
「はい、西城家にいたころによく慰問に言っておりました。私の妹が慰問は苦手だと言っておりましたのでその分も私が」
「レースや編み物も寄付していたと初野から聞いたのだが、あなたが作ったのか」
「ほかに誰がおりますか?」
まるで尋問されている気分だ。何か疑われているのかもしれないが、思い当たる節がない。思わず少々ぶっきらぼうな答えになってしまうが許してほしいところだ。
「さくらはあなたになついている。俺以外の膝に乗る姿を初めて見たな。いったいどうやって手なずけたのか」
「私がこちらに嫁いできてすぐに出会ったのです。その時は雨に濡れていて、体を拭いてあげました。別の日には怪我をしていたので手当てを、再々会いに来てくれるようになりましたので、一緒にゆっくりと過ごしていました」
「そうか……」
ほどなくして初野がお茶を淹れてきてくれる。しずくの好きな干菓子が添えてある。
「私、このお菓子が好きなんですよ、東城家に来て初めて食べました」
「そう、なのか。西城ではこのような菓子は出ないか……」
「といいますか、私の扱いが少々複雑……といいますか。甘い食べ物をあまり食べたことがありませんでした」
「それは、どういう……」
家のことを話すのは憚られた。しずくは問いには答えず、あいまいな笑みだけを返す。彗斗は意図を察したのか、それ以上何も聞いてこない。ありがたかった。
「この菓子は、俺も好きだった。子供のころはよく食べた。成人してからは口にすることがなくなったな、懐かしい……」
「そうなのですね」
何を話すでもない、互いに黙ったまま、湯飲みを口に運ぶ。その時間は気まずいものではなく、思いの外、心地よい時間だった。
「さくらは眠ってしまったな、重くはないか?」
「はい、温かくて気持ちがよいです」
「そうか。しずく殿、また来てもいいか?」
「はい、もちろんです旦那様」
彗斗の表情が少し穏やかになったような気がして、しずくも微笑む。彗斗はさくらを無理やりか連れ帰ろうとはしなかった。ほんの少しだけ、歩み寄ることができたのかもしれない。
これも慰問がうまくいったからだろう。初野には感謝するばかりだ。
「旦那様も奥様のことを分かり始めているようですね」
お茶を片付けに来た初野が話しかけてくる。
「少しでも打ち解けることができたらよいのですが」
「旦那様は大旦那様のこともあって西城家に思うところがあるようだったのですが、やっと奥様と向き合う気持ちになれたようですね」
「これも初野さんのおかげです」
「とんでもないことです! 奥様のお力ですよ、私はなにも……でも、そう言っていただけて嬉しいです。私、奥様のお力になりたかったので。奥様が嫁いでいらっしゃったひのことを覚えていらっしゃいますか? 白無垢の……」
「もちろん覚えておりますよ」
「あの時、奥様は私のことをすごく心配してくださいました。ご自分のほうがつらいお立場にいたのに……」
「東城家に嫁いでくるときに覚悟はできていましたから、でもあなたは違います。ここでほかの女中たちを一緒に働かなければいけないでしょう?」
「そのお心遣いが嬉しかったのです。こうやって堂々と奥様と話せることが来たことに感謝します。旦那様とも、仲睦まじくあってほしいなと思います」
「初野さん、差支えがあるかもしれませんが、東城家のことをお伺いしてもよろしいですか? 私は両家の仲違いの理由を詳しく知らないのです」
しずくの言葉に初野は少し困惑したような顔になってから、声を落とした。
「東城家と西城家はもとより仲の良い家ではなかったのうですが、先代の折に、西城家がご当主に呪いをかけたようなのです」
「なにか発端になる出来事があったのでしょうか?」
「はい、大旦那様は、西城家の奥様と懇意にされていたようなのです。ですが、裏切られたと仰っていて……失意の中、流行病にかかってなくなってしまいました。心が弱っていたからだと言われていたのですが、西城家に呪術をかけられたのではないかと大旦那様は仰っていたようで……」
「そんなことが……」
しずくに思い当たる節はなかった。義母と彗斗の母が懇意にしていたというのは初耳だ。
「大旦那様と西城家に何があったのか、それ以上のことははわかりません、すみません、奥様」
申し訳なさそうな顔をする初野にしずくは首を横に振る。
「いいえ、十分です。教えてくださってありがとうございました」
彗斗との距離を少しずつでも縮めていくことができたら、よい夫婦になれるのではないだろうか。そんな予感のする一日だったが、呪いの一件を聞いて一筋縄では行かなそうだと思った。彗斗の中に根付いた西城家への嫌悪感は深いのだろう。
とある夜のこと、しずくが眠りに就こうとしているとさくらが部屋に入ってきた。にゃあと何かを訴えるようにしずくを見る。
「どうしたの、何かあった?」
優しい声で尋ねると、さくらはにゃあと鳴いて視線を庭のほうへ向ける。それから、まるでついてこいというようにしずくを見つめた。
「ついてきてほしいの? でもこんな夜更けに勝手に部屋を出るわけにはいかないわ」
そう思いはするが、さくらの様子を気にかけたしずくは初野に声をかける。
「初野さん、少しだけ庭を散歩させてください。さくらがついてきてほしいみたいで。責任は私が取ります」
「奥様を危険にさらすわけにはいきません。私もご一緒します」
結局初野も一緒についてきた。さくらの後をついていくと、初野が慌てたようにしずくを止める。
「あちらは旦那様の部屋です」
「そうなのですね」
思いの外自分の部屋がある離れと近い場所に彗斗がいたことに驚く。さくらはついてこいと言わんばかりにしずくを見た。
「旦那様になにかあったのかもしれません。私が見てきますから、なにかあったら部屋の外へすぐに声を掛けます」
「いけません奥様、叱られます」
「大丈夫です、叱られることには慣れておりますし、さくらの様子が気にかかります。旦那様に何かあったのかもしれません。初野さんは屋敷の中に入って、すぐに対応できるようにしておいてください」
「わかりました」
しずくに説得され、初野は屋敷の中に戻る。しずくはさくらのあとについて彗斗の部屋に向かった。庭に向かった縁側の障子戸が少し開いている。中に声をかけようと近づくと、うめくような声が聞こえたので慌てて中に入った。
「旦那様、大丈夫でしょうか」
畳の上にうずくまる彗斗を見つけて、しずくは駆け寄り、その背をさする。
「しずく殿……こんな夜更けに、勝手に入られては困る」
「今は緊急事態です。旦那様の身に何か起こっていると教えてくれたのですよ、すぐにひとを……お医者様に来ていただきましょう」
しずくが医者を呼ぶべく部屋を出ようとすると、彗斗の手がしずくの腕をつかんだ。
「放っておいてくれ、時が過ぎればおさまる」
「時とは……発作のようなものですか?」
「ああ、すこしだけこのままでいてくれ……」
「あ、はい」
体を預けてくる彗斗の体を支えていると、違和感を覚えた。彗斗の中に、呪いの気配がする。それもひとつではない、ふたつの呪いだ。絡み合った糸のように、ふたつの呪いが複雑に影響しあっている。
「旦那様、失礼いたします」
「しずく、どの……?」
しずくは彗斗の頭に優しく触れる。それから神経を手に集中させた。西城家の人間には呪いを操る力があるらしい。たが、しずくにはその力がなかった。かわりに呪いを解くことに幼いころから秀でていたのである。生みの母はしずくの力が父親に悪用されないよう、しずくに力を使うことを禁じた。しずくはその教えを頑なに守ってきたのである。だが、今は力を使うべきときであると心が判断した。
呪いは細い糸に似ている。術者が作り出した細い糸が、対象となる相手に絡みついて呪うのである。しずくは彗斗にかけられた呪いを静かに解き始めた。
一体、誰が彗斗様にこんなことを……。いいえ、これは一族の当主にかけられた呪いだわ、代々当主が受ける呪い。ひとつは急速に老いる呪い、そしてもうひとつは緩やかに若返る呪い。このふたつが作用することで、彗斗様は呪いかかかっていない人と同じように年を重ねることができていたのだ。このふたつの呪いの調和が崩れた時、こんな風に調子が悪くなるんだわ。そして、いずれ死が訪れる。
丁寧に丁寧に呪いをほどいていく。初めての解除に戸惑いながらも、しずくは神経を集中させた。途中で彗斗が眠りに就いたことに気が付かないほどに。そしてようやくふたつの呪いを解き終えるころには、朝が訪れていた。
朝陽が上るころ、しずくは疲れ果てて深い眠りに落ちていた。
華絵がたびたび通ってきているようなので、いつか妾にでも迎えるつもりなのかもしれない。
「しずく殿、少し話がしたい」
「どうぞお入りください」
腕にさくらを抱いている。さくらはしずくの姿を見ると、嬉しそうに飛び降りてその膝の上で丸くなった。
「お茶を淹れてきましょう」
「いや、あなたは行かなくていい、誰かに淹れてもらおう」
「毒なんか入れませんよ」
冗談で言ったつもりだったが、彗斗は真に受けたようだった。
「疑ってなどいない。ただ、あなたに聞きたいことがある」
彗斗は真っ直ぐにしずくを見た。思えば、初めて顔を合わせたような気がする。
「慰問の日、華絵の様子はどうだった?」
「創部を見て気分を悪くされたようです。慣れない方なら当然の反応ですよ」
「あなたは慣れていたのか」
「はい、西城家にいたころによく慰問に言っておりました。私の妹が慰問は苦手だと言っておりましたのでその分も私が」
「レースや編み物も寄付していたと初野から聞いたのだが、あなたが作ったのか」
「ほかに誰がおりますか?」
まるで尋問されている気分だ。何か疑われているのかもしれないが、思い当たる節がない。思わず少々ぶっきらぼうな答えになってしまうが許してほしいところだ。
「さくらはあなたになついている。俺以外の膝に乗る姿を初めて見たな。いったいどうやって手なずけたのか」
「私がこちらに嫁いできてすぐに出会ったのです。その時は雨に濡れていて、体を拭いてあげました。別の日には怪我をしていたので手当てを、再々会いに来てくれるようになりましたので、一緒にゆっくりと過ごしていました」
「そうか……」
ほどなくして初野がお茶を淹れてきてくれる。しずくの好きな干菓子が添えてある。
「私、このお菓子が好きなんですよ、東城家に来て初めて食べました」
「そう、なのか。西城ではこのような菓子は出ないか……」
「といいますか、私の扱いが少々複雑……といいますか。甘い食べ物をあまり食べたことがありませんでした」
「それは、どういう……」
家のことを話すのは憚られた。しずくは問いには答えず、あいまいな笑みだけを返す。彗斗は意図を察したのか、それ以上何も聞いてこない。ありがたかった。
「この菓子は、俺も好きだった。子供のころはよく食べた。成人してからは口にすることがなくなったな、懐かしい……」
「そうなのですね」
何を話すでもない、互いに黙ったまま、湯飲みを口に運ぶ。その時間は気まずいものではなく、思いの外、心地よい時間だった。
「さくらは眠ってしまったな、重くはないか?」
「はい、温かくて気持ちがよいです」
「そうか。しずく殿、また来てもいいか?」
「はい、もちろんです旦那様」
彗斗の表情が少し穏やかになったような気がして、しずくも微笑む。彗斗はさくらを無理やりか連れ帰ろうとはしなかった。ほんの少しだけ、歩み寄ることができたのかもしれない。
これも慰問がうまくいったからだろう。初野には感謝するばかりだ。
「旦那様も奥様のことを分かり始めているようですね」
お茶を片付けに来た初野が話しかけてくる。
「少しでも打ち解けることができたらよいのですが」
「旦那様は大旦那様のこともあって西城家に思うところがあるようだったのですが、やっと奥様と向き合う気持ちになれたようですね」
「これも初野さんのおかげです」
「とんでもないことです! 奥様のお力ですよ、私はなにも……でも、そう言っていただけて嬉しいです。私、奥様のお力になりたかったので。奥様が嫁いでいらっしゃったひのことを覚えていらっしゃいますか? 白無垢の……」
「もちろん覚えておりますよ」
「あの時、奥様は私のことをすごく心配してくださいました。ご自分のほうがつらいお立場にいたのに……」
「東城家に嫁いでくるときに覚悟はできていましたから、でもあなたは違います。ここでほかの女中たちを一緒に働かなければいけないでしょう?」
「そのお心遣いが嬉しかったのです。こうやって堂々と奥様と話せることが来たことに感謝します。旦那様とも、仲睦まじくあってほしいなと思います」
「初野さん、差支えがあるかもしれませんが、東城家のことをお伺いしてもよろしいですか? 私は両家の仲違いの理由を詳しく知らないのです」
しずくの言葉に初野は少し困惑したような顔になってから、声を落とした。
「東城家と西城家はもとより仲の良い家ではなかったのうですが、先代の折に、西城家がご当主に呪いをかけたようなのです」
「なにか発端になる出来事があったのでしょうか?」
「はい、大旦那様は、西城家の奥様と懇意にされていたようなのです。ですが、裏切られたと仰っていて……失意の中、流行病にかかってなくなってしまいました。心が弱っていたからだと言われていたのですが、西城家に呪術をかけられたのではないかと大旦那様は仰っていたようで……」
「そんなことが……」
しずくに思い当たる節はなかった。義母と彗斗の母が懇意にしていたというのは初耳だ。
「大旦那様と西城家に何があったのか、それ以上のことははわかりません、すみません、奥様」
申し訳なさそうな顔をする初野にしずくは首を横に振る。
「いいえ、十分です。教えてくださってありがとうございました」
彗斗との距離を少しずつでも縮めていくことができたら、よい夫婦になれるのではないだろうか。そんな予感のする一日だったが、呪いの一件を聞いて一筋縄では行かなそうだと思った。彗斗の中に根付いた西城家への嫌悪感は深いのだろう。
とある夜のこと、しずくが眠りに就こうとしているとさくらが部屋に入ってきた。にゃあと何かを訴えるようにしずくを見る。
「どうしたの、何かあった?」
優しい声で尋ねると、さくらはにゃあと鳴いて視線を庭のほうへ向ける。それから、まるでついてこいというようにしずくを見つめた。
「ついてきてほしいの? でもこんな夜更けに勝手に部屋を出るわけにはいかないわ」
そう思いはするが、さくらの様子を気にかけたしずくは初野に声をかける。
「初野さん、少しだけ庭を散歩させてください。さくらがついてきてほしいみたいで。責任は私が取ります」
「奥様を危険にさらすわけにはいきません。私もご一緒します」
結局初野も一緒についてきた。さくらの後をついていくと、初野が慌てたようにしずくを止める。
「あちらは旦那様の部屋です」
「そうなのですね」
思いの外自分の部屋がある離れと近い場所に彗斗がいたことに驚く。さくらはついてこいと言わんばかりにしずくを見た。
「旦那様になにかあったのかもしれません。私が見てきますから、なにかあったら部屋の外へすぐに声を掛けます」
「いけません奥様、叱られます」
「大丈夫です、叱られることには慣れておりますし、さくらの様子が気にかかります。旦那様に何かあったのかもしれません。初野さんは屋敷の中に入って、すぐに対応できるようにしておいてください」
「わかりました」
しずくに説得され、初野は屋敷の中に戻る。しずくはさくらのあとについて彗斗の部屋に向かった。庭に向かった縁側の障子戸が少し開いている。中に声をかけようと近づくと、うめくような声が聞こえたので慌てて中に入った。
「旦那様、大丈夫でしょうか」
畳の上にうずくまる彗斗を見つけて、しずくは駆け寄り、その背をさする。
「しずく殿……こんな夜更けに、勝手に入られては困る」
「今は緊急事態です。旦那様の身に何か起こっていると教えてくれたのですよ、すぐにひとを……お医者様に来ていただきましょう」
しずくが医者を呼ぶべく部屋を出ようとすると、彗斗の手がしずくの腕をつかんだ。
「放っておいてくれ、時が過ぎればおさまる」
「時とは……発作のようなものですか?」
「ああ、すこしだけこのままでいてくれ……」
「あ、はい」
体を預けてくる彗斗の体を支えていると、違和感を覚えた。彗斗の中に、呪いの気配がする。それもひとつではない、ふたつの呪いだ。絡み合った糸のように、ふたつの呪いが複雑に影響しあっている。
「旦那様、失礼いたします」
「しずく、どの……?」
しずくは彗斗の頭に優しく触れる。それから神経を手に集中させた。西城家の人間には呪いを操る力があるらしい。たが、しずくにはその力がなかった。かわりに呪いを解くことに幼いころから秀でていたのである。生みの母はしずくの力が父親に悪用されないよう、しずくに力を使うことを禁じた。しずくはその教えを頑なに守ってきたのである。だが、今は力を使うべきときであると心が判断した。
呪いは細い糸に似ている。術者が作り出した細い糸が、対象となる相手に絡みついて呪うのである。しずくは彗斗にかけられた呪いを静かに解き始めた。
一体、誰が彗斗様にこんなことを……。いいえ、これは一族の当主にかけられた呪いだわ、代々当主が受ける呪い。ひとつは急速に老いる呪い、そしてもうひとつは緩やかに若返る呪い。このふたつが作用することで、彗斗様は呪いかかかっていない人と同じように年を重ねることができていたのだ。このふたつの呪いの調和が崩れた時、こんな風に調子が悪くなるんだわ。そして、いずれ死が訪れる。
丁寧に丁寧に呪いをほどいていく。初めての解除に戸惑いながらも、しずくは神経を集中させた。途中で彗斗が眠りに就いたことに気が付かないほどに。そしてようやくふたつの呪いを解き終えるころには、朝が訪れていた。
朝陽が上るころ、しずくは疲れ果てて深い眠りに落ちていた。



