東城家と西城家の契約結婚

 彗斗の尽力で、悪質な商売を暴かれた西城家、そしてかつて当主に呪いをかけた彗斗の叔父が断罪された。
 西城家は富を失い、叔父の家は東城の名を剥奪された。 

 今日は二度目の結婚式である。東城家の人間だけで開かれるささやかな結婚式。
 白無垢に袖を通したしずくを、彗斗が迎えに来た。美しく着飾ったしずくを見て、目尻を下げる。
「とても綺麗だ。一度目の結婚式のときもあまりの美しさに言葉を失ったのだけど」
「彗斗様もとても素敵です」
「珊瑚の髪飾りもよく似合っている。東城のことを考えてくれていたのだな、あのときから」
「はい……少しでも誠実な気持ちを示したくて……失敗していましましたが……」
「しずく……」
 視線を下げると足元で黒猫がにゃあと甘えてくる。
「さくら……あなたもとっても素敵よ」
 さくらはしずくに撫でられ、嬉しそうに喉を鳴らした。
「一度目はひどい結婚式にしてしまったから、やり直しをさせてくれ」という彗斗の願いで、今日の日がある。
 形ばかりだった一度目とは違う結婚式。
「しずく、俺は君に惹かれている。これから、もっと君のことを知っていきたい」
「はい、私も、彗斗様のことが知りたいです」
「これからは本物の夫婦になりたい」
「はい」
 祈りを捧げ合った誓いの盃を交わす。しずくは彗斗のために祈りを捧げた。
 淡い光がふたりを包む。まるで、ふたりを祝福するように。
「これは……」
「星が祝福してくれているのだろう。俺は珊瑚星に誓う、君を守り、尊び、心から愛すると」
「私も真珠星と珊瑚星に誓います。彗斗様を、尊敬し心から愛することを」
 顔を見合わせて笑い合う。
 ふたりを慕う人々に祝われて、しずくは彗斗と夫婦になったのである。
 珊瑚星と真珠星の縁が結ぶ結界は、帝都を多くの邪気から守ることとなる。