「旦那様。朝です。起きてください」
穏やかな陽の光が当たる、洋室のベッドの上。私はすでに準備を整え、朝餉に向かう恰好になっている。旦那様はまだ上裸で、気持ちよさそうに眠っており、私の肩の揺すりにほんの少し顔を顰め、意識を浮上させつつある。
私の声に少しずつ瞼を持ち上げると、旦那様はふと柔らかな表情をした。
「もう起きたのか。早いな」
「おはようございます。旦那様」
「いい加減、名前で呼んでくれても構わないのに。このままじゃ、お前に名前を呼ばれることもなく余生を過ごすことになりそうだな」
そう言いながら体を起こす。彼の意地悪な発言には何も言い返せず、口を噤む。
ほんの少し悔しそうな表情をしている私を見ては、少し笑って、優しく頭を撫でてくる。
「…そんなに難しいことか? 名前で呼ぶことが」
「…今まで、旦那様と呼んでおりましたから」
「花純」
そう柔らかく名前を呼んでは、ベッドの淵に座ったまま私の腰を抱き寄せ、見上げる。
「旦那様、と呼ぶたびに接吻でもすればいいのか?」
「な…! だんなさ…、んっ…」
旦那様と呼び終わる前に、頭を彼の方に寄せられ、唇を重ね合わせる。
こんな浮かれた朝が来るだなんて想像もしていなかった。私はそっと目を閉じ、彼の接吻を受け入れた。
穏やかな陽の光が当たる、洋室のベッドの上。私はすでに準備を整え、朝餉に向かう恰好になっている。旦那様はまだ上裸で、気持ちよさそうに眠っており、私の肩の揺すりにほんの少し顔を顰め、意識を浮上させつつある。
私の声に少しずつ瞼を持ち上げると、旦那様はふと柔らかな表情をした。
「もう起きたのか。早いな」
「おはようございます。旦那様」
「いい加減、名前で呼んでくれても構わないのに。このままじゃ、お前に名前を呼ばれることもなく余生を過ごすことになりそうだな」
そう言いながら体を起こす。彼の意地悪な発言には何も言い返せず、口を噤む。
ほんの少し悔しそうな表情をしている私を見ては、少し笑って、優しく頭を撫でてくる。
「…そんなに難しいことか? 名前で呼ぶことが」
「…今まで、旦那様と呼んでおりましたから」
「花純」
そう柔らかく名前を呼んでは、ベッドの淵に座ったまま私の腰を抱き寄せ、見上げる。
「旦那様、と呼ぶたびに接吻でもすればいいのか?」
「な…! だんなさ…、んっ…」
旦那様と呼び終わる前に、頭を彼の方に寄せられ、唇を重ね合わせる。
こんな浮かれた朝が来るだなんて想像もしていなかった。私はそっと目を閉じ、彼の接吻を受け入れた。
