私の様子を見ていた旦那様が、机の上に乗せていた私の手をそっと握る。その手をじっと見つめ、どう答えればいいか悩んでいた。
「華堂家は国への不正が暴かれ、もう二度と同じ生活へは戻れない。父も、もうお前の生まれを口にすることは二度とない」
「旦那様…」
「だから、戻ってこい。俺の妻はお前だけだ」
私が、こんな幸せを掴んでもいいのだろうか。ずっと日陰で生きてきて、突然陽を浴びても。
私だって普通の幸せを求めていた。お慕いしている殿方と普通に恋愛をして、結婚をして、いつか子供を産んで…。ただ、私が一番よくわかっている。妾の子は妾。いつか、状況が変わった時、私の子供も日陰でしか歩けなくなってしまったら。
旦那様は私を裏切らずにお傍に置いてくれるかもしれない。でも、人間は簡単に変わる。いつか、私を切り捨てる日も来るかもしれない。
人間不信。未来が怖くて、何も信じられない。
私の不安を感じ取った様に、私の手を強く握る。
「お前は俺を慕っていると言ったな。それは、今も変わらないか?」
「…はい」
私の返事に柔らかく微笑み、席を立つとそっと私の腕を引っ張り抱き寄せる。
「俺も撤回する。人を愛さないなんて。俺は、花純だけを愛する」
耳元で聞こえてくる優しい声。こんな奇跡があっていいのだろうか。この後罰が当たるのではないだろうか。そう思っているのに、拒めはしない。
今度こそ、旦那様の背中に腕を回し、彼の胸元に横顔を付ける。
「華堂家は国への不正が暴かれ、もう二度と同じ生活へは戻れない。父も、もうお前の生まれを口にすることは二度とない」
「旦那様…」
「だから、戻ってこい。俺の妻はお前だけだ」
私が、こんな幸せを掴んでもいいのだろうか。ずっと日陰で生きてきて、突然陽を浴びても。
私だって普通の幸せを求めていた。お慕いしている殿方と普通に恋愛をして、結婚をして、いつか子供を産んで…。ただ、私が一番よくわかっている。妾の子は妾。いつか、状況が変わった時、私の子供も日陰でしか歩けなくなってしまったら。
旦那様は私を裏切らずにお傍に置いてくれるかもしれない。でも、人間は簡単に変わる。いつか、私を切り捨てる日も来るかもしれない。
人間不信。未来が怖くて、何も信じられない。
私の不安を感じ取った様に、私の手を強く握る。
「お前は俺を慕っていると言ったな。それは、今も変わらないか?」
「…はい」
私の返事に柔らかく微笑み、席を立つとそっと私の腕を引っ張り抱き寄せる。
「俺も撤回する。人を愛さないなんて。俺は、花純だけを愛する」
耳元で聞こえてくる優しい声。こんな奇跡があっていいのだろうか。この後罰が当たるのではないだろうか。そう思っているのに、拒めはしない。
今度こそ、旦那様の背中に腕を回し、彼の胸元に横顔を付ける。
