誰もいないはずの銀河だった。
幾千、幾万、あるいはそれ以上の時が流れたのかもしれない。
文明は滅びた。星々は生まれ、消えた。かつて人類と呼ばれた種が存在した痕跡さえ、この宇宙から失われようとしていた。
それでも、ひとつの通信だけは消えずに漂い続けていた。
光よりも遅く。
願いよりも永く。
静かな宇宙の海を、ただひたすらに。
そして、ついにその通信はある場所へと辿り着く。
ノイズが流れて、一人の青年の声が流れた。
『できることなら。あの子と──皆と、同じ銀河で輝く一等星となりたい。』
通信はそこで終わった。宇宙は静寂を取り戻す。何も聞こえない。何も動かない。宇宙は、何も答えない。沈黙だけがそこにあった。
ただ、そこには確かに一つの人生があった。長い旅があった。果てしない孤独があった。誰にも届かないと思われた願いがあった。
けれど、その通信を受信した者が、たった一人だけいた。その姿は見えない。名前も分からない。どこにいるのかも、何者なのかも。何もわからない。
その者は、しばらく何も言わなかった。まるで、誰かの人生に静かに寄り添うように。長い旅を終えた誰かを見送るように。
やがて静かに口を開く。
「お疲れ様。」
その言葉だけが、誰もいないはずの銀河にそっと溶けていった。
幾千、幾万、あるいはそれ以上の時が流れたのかもしれない。
文明は滅びた。星々は生まれ、消えた。かつて人類と呼ばれた種が存在した痕跡さえ、この宇宙から失われようとしていた。
それでも、ひとつの通信だけは消えずに漂い続けていた。
光よりも遅く。
願いよりも永く。
静かな宇宙の海を、ただひたすらに。
そして、ついにその通信はある場所へと辿り着く。
ノイズが流れて、一人の青年の声が流れた。
『できることなら。あの子と──皆と、同じ銀河で輝く一等星となりたい。』
通信はそこで終わった。宇宙は静寂を取り戻す。何も聞こえない。何も動かない。宇宙は、何も答えない。沈黙だけがそこにあった。
ただ、そこには確かに一つの人生があった。長い旅があった。果てしない孤独があった。誰にも届かないと思われた願いがあった。
けれど、その通信を受信した者が、たった一人だけいた。その姿は見えない。名前も分からない。どこにいるのかも、何者なのかも。何もわからない。
その者は、しばらく何も言わなかった。まるで、誰かの人生に静かに寄り添うように。長い旅を終えた誰かを見送るように。
やがて静かに口を開く。
「お疲れ様。」
その言葉だけが、誰もいないはずの銀河にそっと溶けていった。
