さて、私は勉強会と雪乃ママさんの手作りお菓子で知識とほっぺたのお肉が順調に増えていき、雪乃はどんどん痩せていきダイエットに成功しつつある。
お昼のお弁当も残していることが多くなってきて、少し心配。
でも雪乃の頑張りだから、応援してあげないとね。
そんなこんなでみんなで集まっての勉強会と中間テストも終わり、成績が返ってきた。
今年度の成績が書かれている一枚の紙が手渡された。
これに順位も偏差値も素点も書いてある。
学校でもらった紙の内容は見ずに、雪乃の家でみんなの前で見ようと決めていた。
そう思ったのは春人君も秋人君も雪乃もそうだったようで、
「「「「三、ニ、一〜」」」」
四人同時に成績表を広げた。
みんなの成績を見るより先に、自分の成績に目をやった。
順位はいくつ上がった?
あんなにみんなと勉強したんだもん。目標の二十番順位を上げるのはできてるはず。
前回の順位と見比べようとした時、
「わぁ春兄、一位じゃん!」
秋人君の声がした。
「え!? 本当だ! 春人君一位!」
雪乃の声もした。
私も慌てて春人君の紙をみると、学年順位のところに一位と書いてあった。
「すごい!」
春人君、本当に本当にやりきったんだ。
私や秋人君や雪乃に勉強教えてあげながら、自分の目標を達成させるなんて、やっぱりすごい!
「おめでとう、春人君」
言うと、エヘヘと春人君がはにかむ。
「あ〜私はちょうど十位。微妙に壁は破れなかった〜」
成績表を見ながら雪乃は残念そう。
「俺だわ〜。俺もちょうど三位。壁は分厚い」
秋人君も悔しそうに成績表を眺めた。
私は?
見ると、
「……え?……」
固まった。
順位が十九位上がりだった。
目標は二十位だったから、私は届かなかった。
秋人君や雪乃みたいにちょうど壁のところではなく、私は届かなかった。
私だけ……。
あれだけ頑張ったのに、私だけ……。
悔しさとふがいなさと、勉強を教えてくれたみんなに対して申し訳なさでいっぱいになる。
「ごめん……」
ポツリと出た。
暗い空気が流れる。
ハッとした。
ここで私が暗くなったら、困るのはみんな。
私が明るくしないと!
「みんなたくさん教えてくれたのに、結果が出なくてごめんね。次は頑張る」
声のトーンを上げ、精一杯笑った。
それでもみんな、なんで言えばいいのかわからない様子で、黙ってしまっている。
みんな困ってる。私が進めないと。
「目標達成した春人君の願いごとってなに?」
身を乗り出し気味に訊いてみた。
「ああ……。あの、あれだよ。みんなで映画に行きたくって」
ハッとしたように、春人君がいつものトーンで話す。
「春兄が言ってる映画って、あの大人気アニメの映画?」
「そうそう、あれ!」
春人君と秋人君の間では、その映画の話は出ていたみたいで、すぐになにの映画か分かった。
「それ私も知ってる。アニメも漫画も見てるから、結果はわかってるんだけど、あの画像を映画館で観たくなっちゃう」
実は私も大好きな漫画。
まさか春人君もあの漫画読んでたなんて。
同じものが好きなことが嬉しい。
「私もそのアニメ大好き。予告編観ただけで、ワクワクしちゃった」
雪乃も楽しそう。
さっきまであった暗い空気が消えていた。
「みんな好きでよかった〜。今度みんなで観に行こうよ」
そう、春人君がみんなを見た時、
「こめん春兄。俺、友達と行く約束、もうしちゃってて……」
顔の前で両手を合わせて「ごめん」と秋人君。
「私もママと一緒に行く約束してたの。本当にごめんね」
雪乃も秋人君と同じ仕草をした。
でもおかしい。
雪乃は好きな映画は何回も観に行くタイプ。
一回行ったぐらいで、みんなで行くのを止めるはずはない。
首を傾げていると、
「もうこれは、春人君と凛華の二人で行くしかないんじゃない?」
雪乃が名案を思いついたというように、両手をパチンと合わせる。
「本当だ。それいいね」
秋人君も同じ仕草をする。
どうもおかしい、二人とも同じ仕草に同じ考え。
これは何かある。
じと〜っと雪乃を見ると、なぜか小さくガッツポーズをされた。
なにに対してのガッツポーズ?
首を傾げると、
「これはもう春兄と凛華ちゃん、デートに行くしかないな」
秋人君が春人君を、雪乃が私を押して、私と春人君の肩がぶつかった。
「え? え? え?」
一人慌ててるけど、春人君といえば
「いい考えだね」
と、涼しい顔。
「凛華ちゃん、デートしよう」
ニコリと微笑まれ、多すぎる情報と感情を処理できなかった私の頭は、今度こそ本当にオーバーヒートした。
お昼のお弁当も残していることが多くなってきて、少し心配。
でも雪乃の頑張りだから、応援してあげないとね。
そんなこんなでみんなで集まっての勉強会と中間テストも終わり、成績が返ってきた。
今年度の成績が書かれている一枚の紙が手渡された。
これに順位も偏差値も素点も書いてある。
学校でもらった紙の内容は見ずに、雪乃の家でみんなの前で見ようと決めていた。
そう思ったのは春人君も秋人君も雪乃もそうだったようで、
「「「「三、ニ、一〜」」」」
四人同時に成績表を広げた。
みんなの成績を見るより先に、自分の成績に目をやった。
順位はいくつ上がった?
あんなにみんなと勉強したんだもん。目標の二十番順位を上げるのはできてるはず。
前回の順位と見比べようとした時、
「わぁ春兄、一位じゃん!」
秋人君の声がした。
「え!? 本当だ! 春人君一位!」
雪乃の声もした。
私も慌てて春人君の紙をみると、学年順位のところに一位と書いてあった。
「すごい!」
春人君、本当に本当にやりきったんだ。
私や秋人君や雪乃に勉強教えてあげながら、自分の目標を達成させるなんて、やっぱりすごい!
「おめでとう、春人君」
言うと、エヘヘと春人君がはにかむ。
「あ〜私はちょうど十位。微妙に壁は破れなかった〜」
成績表を見ながら雪乃は残念そう。
「俺だわ〜。俺もちょうど三位。壁は分厚い」
秋人君も悔しそうに成績表を眺めた。
私は?
見ると、
「……え?……」
固まった。
順位が十九位上がりだった。
目標は二十位だったから、私は届かなかった。
秋人君や雪乃みたいにちょうど壁のところではなく、私は届かなかった。
私だけ……。
あれだけ頑張ったのに、私だけ……。
悔しさとふがいなさと、勉強を教えてくれたみんなに対して申し訳なさでいっぱいになる。
「ごめん……」
ポツリと出た。
暗い空気が流れる。
ハッとした。
ここで私が暗くなったら、困るのはみんな。
私が明るくしないと!
「みんなたくさん教えてくれたのに、結果が出なくてごめんね。次は頑張る」
声のトーンを上げ、精一杯笑った。
それでもみんな、なんで言えばいいのかわからない様子で、黙ってしまっている。
みんな困ってる。私が進めないと。
「目標達成した春人君の願いごとってなに?」
身を乗り出し気味に訊いてみた。
「ああ……。あの、あれだよ。みんなで映画に行きたくって」
ハッとしたように、春人君がいつものトーンで話す。
「春兄が言ってる映画って、あの大人気アニメの映画?」
「そうそう、あれ!」
春人君と秋人君の間では、その映画の話は出ていたみたいで、すぐになにの映画か分かった。
「それ私も知ってる。アニメも漫画も見てるから、結果はわかってるんだけど、あの画像を映画館で観たくなっちゃう」
実は私も大好きな漫画。
まさか春人君もあの漫画読んでたなんて。
同じものが好きなことが嬉しい。
「私もそのアニメ大好き。予告編観ただけで、ワクワクしちゃった」
雪乃も楽しそう。
さっきまであった暗い空気が消えていた。
「みんな好きでよかった〜。今度みんなで観に行こうよ」
そう、春人君がみんなを見た時、
「こめん春兄。俺、友達と行く約束、もうしちゃってて……」
顔の前で両手を合わせて「ごめん」と秋人君。
「私もママと一緒に行く約束してたの。本当にごめんね」
雪乃も秋人君と同じ仕草をした。
でもおかしい。
雪乃は好きな映画は何回も観に行くタイプ。
一回行ったぐらいで、みんなで行くのを止めるはずはない。
首を傾げていると、
「もうこれは、春人君と凛華の二人で行くしかないんじゃない?」
雪乃が名案を思いついたというように、両手をパチンと合わせる。
「本当だ。それいいね」
秋人君も同じ仕草をする。
どうもおかしい、二人とも同じ仕草に同じ考え。
これは何かある。
じと〜っと雪乃を見ると、なぜか小さくガッツポーズをされた。
なにに対してのガッツポーズ?
首を傾げると、
「これはもう春兄と凛華ちゃん、デートに行くしかないな」
秋人君が春人君を、雪乃が私を押して、私と春人君の肩がぶつかった。
「え? え? え?」
一人慌ててるけど、春人君といえば
「いい考えだね」
と、涼しい顔。
「凛華ちゃん、デートしよう」
ニコリと微笑まれ、多すぎる情報と感情を処理できなかった私の頭は、今度こそ本当にオーバーヒートした。
