「あの、そういえば千輝様はどんな瑛気をお持ちなんですか?」
「おや、話していませんでしたか」
「何となく光に関係するのかなとは思っておりました」
晶穂に浴びせたあの強い光のことを思い出す。
「ええ、その通りです。私はこのように自由に光を扱えます」
千輝の指先が眩い光で輝く。
「どんな暗闇もお任せください」
「ふふ、心強いですね」
千輝はコホンと咳払いをし、席から立ち上がる。
「そろそろ出かけなければ」
「行ってらっしゃいませ」
「またこうして朝食をともにしましょう」
「はい、是非」
ほんのわずかな時間だが、理人だけでなく千輝のことを知れたのが嬉しい。
千輝に惹かれる気持ちに何となく気づいているが、仕方ないのだと思う。彼の中には今も理人という存在が中心にあり、彼の根幹をつくっている。
もう二度と会えない父親の面影を千輝から感じて、恋しく思ってしまうのだろう。
それに自分を救い出してくれた救世主でもあるのだから、少なからず惹かれてしまうのは無理もない。
(だけど、これ以上先に進むのはダメよ灰理)
灰理は自分自身に言い聞かせる。
それ以上を望んではいけない、期待してはいけない。きっとつらくなるだけ。
ここに置いてもらえているだけで十分すぎるのだ。
ただのいとこ同士という一線を超えてはならないのだと、自分を戒めた。



