あの日、君から始まった物語を。

「好きだ。」
その言葉をきっかけに俺達の日常は、少しだけ違うものに変わっていった。


キーンコーンカーンコーン・・・

「終わった〜!」
「お疲れ〜!!(りょう)
「お疲れ!拓海(たくみ)

最後の授業も終わり、斜め前の席にいる拓海と労いの言葉をかけた。

「つか、さっきの授業マジ眠かったわ」
「お前、一番前の席なのに寝そうだったもんな」
「いや、最後の授業が公共なのが悪い。」

そんな他愛もない話をして掃除もSHも終わった後、俺は隣のクラスに行く。いつもと変わらない毎日だが、なんだかんだそれも良いなと思う。

ガラガラガラ・・・

「かーずま!来たぞ〜」
「遼・・・」
「駅の時間までまだあるけどどうする?」
「昨日と同じで」
「りょ」

「アイス、どれにしよう・・・」
「遼って、冬なのにアイス食べる時あるよね。」
「だって美味しいじゃん」
「・・・もっと寒くなっても知らないよ」
「もう慣れたから平気〜」
「ホッカイロは?」
「ないよ?」
「はぁ・・・。」

俺はアイスとグミを。和真は温かい飲み物を買って、コンビニを出た。外はやっぱり寒いがアイスは美味しい。

(ウマウマ)

ピタッ

「うわっ!?」
「これでも飲んで体温めろ」
「えっ、でもそれだと和真が」
「ちなみにもう一つ買ってるから大丈夫」
「いつの間に!?」
「・・・それよりも、遼は勉強進んでるの?」
「進んではいるよ」
「分からない所は?」
「今はないかな。」

こうやって、和真と歩きながら話すのも来年からは無くなってしまう。

(なんでもっと早く、和真と会えなかったんだろう・・・)

過去を悔やんでも仕方はない。でも、和真の隣は居心地が良くていつも安心する。

(高1の時に同じクラスか隣のクラスだったらな〜それなら3年間一緒にいれたのに・・・)

「・・・あのさ、遼・・・」
「んっ?どうした?」
「好きだよ。」

一瞬、時間が止まった気がした。


「えっ?」
「・・・好きだよ。」

んっ?

(聞き間違い?いや、2回も聞いたし、聞き間違いじゃないな・・・)

「えっと・・・それは」
「恋愛の意味で遼のことが好き」

だよね〜
(明らかに友達の意味じゃなかったしな!)

「何でお」
「ちなみに駅の時間まで後5分」
「急げ!!!」





和真を見送った後、少しして来た電車の中で俺は

(待て待て待て、何で俺!?)

混乱していた。

(ってか、あいつサラッと言ったよな!?告白ってあんな感じなのか!?いや、まず、俺のどこに惚れたんだ!?分からない分からない。これまで一度も告白されたこともなければ告白したこともないし人を好きになったこともない。相談はされたことあるけど、でも・・・)

「マジで分からん・・・」

次はーー


家へ帰った後も必死に考えた。
でも、分からないものは分からなかった。あいつが狙ってやったこと以外は・・・。

(突発的なものだったら、あの時、駅の時間のことなんて言わないしな・・・)

でも、それと同時にもう一つ思ったことがあった。

「・・・和真は、いつから俺のこと好きだったんだろう・・・」

俺と和真の出会いは高校2年の冬。丁度インフルが学校で流行っていたときだった。友達の一人がインフルにかかってしまい、体育の授業でのペア作りで俺は一人でいた和真を見つけ、声をかけた。話していく内に本の話題だったり、趣味も似ていたことから意気投合し、そこから仲良くなった。

(高2のあの時から高3の今まで、そういう気持ちを和真から感じたことはなかったけど・・・)

「うーん・・・」

「やっぱ分からん・・・」





ピピピ、ピピピ

ポチッ

(・・・)

いつの間にか寝ていたようで、今日が来た。

(眠い・・・まだ眠い・・・寝たい。でも、電車の時間が・・・)

電車・・・学校・・・友達・・・和真・・・

「・・・・・・あっ」

ってか、

「今日どんな顔して和真と会えば良いんだーーー!!!」