「え?今なんて……?」
晴先輩の頭の上には無数のはてなが浮かんでいた。外から部活動の掛け声が聞こえるものの、ここ生徒会室はそんな社会から隔離されたみたいに静まり返っている。
「だから付き合ってくださいよ」
「だから誰と?」
「虹くんです」
「虹くん、って佐藤が好きな人なんだろ?」
「はい」
僕の勢いに圧倒され仰け反る晴先輩は、なに言ってんのと言わんばかりの訝しげな顔をしていた。
「佐藤……お前、大丈夫か?」
「ん?」
晴先輩は首を傾げる僕をじーっと見て、それから大きく頷いた。
「……今日は疲れたよな」
「はい?」
「早く帰って、よく休んだ方がいい」
うんうん、働かせすぎちゃったよなー、そう言って僕にカバンを持たせ、退場を促された。
急にどうしたんだろう……そう思いつつ、いい時間だったので素直に帰ることにした。
「……よしっ」
廊下に誰もいないことを確認して、僕は小さくガッツポーズをする。晴先輩には、また今度話の続きをゆっくりしよう。微力だけどこんな僕が虹くんの力になれるかもしれない、そんなことがとてつもなくうれしかった。外に出たところでピコン、とスマホの通知音が鳴る。メッセージアプリを開くと思わず声が漏れた。
『あしたの集合って13時であってるよね?』
特に意味のない、マラカスを振り回す猫のスタンプと共に送られてきたメッセージ。送信元は『にじ』とある。それを見た瞬間、僕は口角のコントロール権を失いつつも指をスライドして文字を打つ。
『うん、あってるよ』
即レスすぎただろうが。いや、別に大丈夫か。うん、大丈夫だ。うん、大丈……
虹くんが打ち込んだであろう文字を無意識に眺めているとすぐに返信が来た。
『おっけい!明日なー』
なんて素晴らしい1日だ。そして明日もきっと最高の1日になる。だって明日は虹くんとデー……
「んんっ」ハッとして咳払いをする。
ちがうちがう。ラーメンを食べに行くだけだ。スマホをカバンに突っ込んで明日へ向けて歩き出す。
晴先輩の頭の上には無数のはてなが浮かんでいた。外から部活動の掛け声が聞こえるものの、ここ生徒会室はそんな社会から隔離されたみたいに静まり返っている。
「だから付き合ってくださいよ」
「だから誰と?」
「虹くんです」
「虹くん、って佐藤が好きな人なんだろ?」
「はい」
僕の勢いに圧倒され仰け反る晴先輩は、なに言ってんのと言わんばかりの訝しげな顔をしていた。
「佐藤……お前、大丈夫か?」
「ん?」
晴先輩は首を傾げる僕をじーっと見て、それから大きく頷いた。
「……今日は疲れたよな」
「はい?」
「早く帰って、よく休んだ方がいい」
うんうん、働かせすぎちゃったよなー、そう言って僕にカバンを持たせ、退場を促された。
急にどうしたんだろう……そう思いつつ、いい時間だったので素直に帰ることにした。
「……よしっ」
廊下に誰もいないことを確認して、僕は小さくガッツポーズをする。晴先輩には、また今度話の続きをゆっくりしよう。微力だけどこんな僕が虹くんの力になれるかもしれない、そんなことがとてつもなくうれしかった。外に出たところでピコン、とスマホの通知音が鳴る。メッセージアプリを開くと思わず声が漏れた。
『あしたの集合って13時であってるよね?』
特に意味のない、マラカスを振り回す猫のスタンプと共に送られてきたメッセージ。送信元は『にじ』とある。それを見た瞬間、僕は口角のコントロール権を失いつつも指をスライドして文字を打つ。
『うん、あってるよ』
即レスすぎただろうが。いや、別に大丈夫か。うん、大丈夫だ。うん、大丈……
虹くんが打ち込んだであろう文字を無意識に眺めているとすぐに返信が来た。
『おっけい!明日なー』
なんて素晴らしい1日だ。そして明日もきっと最高の1日になる。だって明日は虹くんとデー……
「んんっ」ハッとして咳払いをする。
ちがうちがう。ラーメンを食べに行くだけだ。スマホをカバンに突っ込んで明日へ向けて歩き出す。

