「いいね、それ。ついてく」
「そう来なくちゃ!待ってて、僕もカバン持ってくる!」
そう言って早足に自分の教室へと向かい、帰り支度を済ませる。
どこに行こうかな。
近場で定番っていったら、やっぱりカラオケかなぁ。
考えながら鼻歌がこぼれる。
友達と遊びに行くなんて久しぶりだから、こうして悩むのも楽しい。
ふと机の奥……普段は教科書を入れている部分から何かが落ちて視線を向ける。
それは未開封のアルミ箔で作られた正方形の小袋だった。
顔が引きつる。
こんな物、こんな所に入れた覚えはない。
「アイツだな……ったく!」
元恋人を思い出し、再び怒りがわき上がる。
大方、学校でもそういう事をしようと企んで僕の机にも忍ばせたとか……そんなくだらない理由だろう。
「それしか頭にないサイテー野郎め……」
呟くと、廊下を歩いてくる足音が聞こえた。
様子を見に来てくれたのか、灯がドアからひょっこりと顔を出す。
「千冬、支度終わった?」
「ま、待ってて!すぐ行く!」
僕は足元のアルミ箔の小袋を拾いズボンのポケットにねじ込むと、雑に教科書を詰め込んだカバンを肩にかけた。
「お待たせ、行こう」
「うん」
階段を下り、下駄箱で靴を履き替える。
外に出た瞬間、むわっとした熱気が体を包み込み、僕は顔をしかめた。



