僕らフラれた受け同士


そこに書いてあった結果を食い入るように見る。


「すっご……大吉じゃん!いいなぁ!」


「ただの運だよ、大げさだって」


そう言って灯がおみくじを折り畳む。

その間際、僕はしっかりと彼の恋愛運を覗き見た。

“一途な想いが実を結ぶ”……僕のより随分と穏やかな事が書いてある。

さすが大吉。


「あ、向こうで甘酒とか配ってるみたいだよ。ほら、行こう?」


灯の手が僕の手に重なり歩き出す。

それが当たり前のようになっているけれど、心の奥底ではもちろん分かっていた。

これは“恋人ごっこ”の延長で、僕らは本物の恋人ではない。


「来年は……違う人と来てるのかな」


思わず口からもれ出た言葉は、周囲の人々の楽しげな声にかき消されて静かに消えていった。

この幸せな時間は、いつまで続くだろう。

僕がフラれたあの日のように、いつか突然に終わったりするのかな。

歪む口元を隠すように一生懸命に笑顔を作った。


「どうぞ、ノンアルコールの甘酒となります」


「ありがとうございます」


鼻を赤くして寒そうな巫女さんから、紙コップに入った甘酒をもらう。

とろりとした控えめな甘さで飲みやすいそれを飲みながら辺りを見渡した。


「出店も見て回りたいけど……さすがに人が多すぎるね」


灯が呟きながら、ふぅふぅと息を吹いて甘酒を冷ます。

猫舌なのかな……ちょっと可愛い。


「そうだね、これじゃ歩くだけでも人に酔いそう」


僕が苦笑しながら続けると、灯は残念そうに笑った。