僕らフラれた受け同士


視線の先にあったのは……おみくじの売り場。

それを見て灯が僕の手を握り直す。


「千冬、おみくじだって……せっかくだしやっていかない?ほら、新年最初の運試しってやつ」


「おっ、いいね!負けないぞ~」


「おみくじに勝ち負けとかあるの?」


赤い巫女服を着たお姉さんに代金を払い、六角形の茶色い筒を順番に振る。

僕が44番、灯が28番の棒を引きその結果をお姉さんに伝えた。

そうして手渡されたおみくじを持ち、邪魔にならない隅っこへ移動する。


「じゃあ、せーので同時に見ようか」


「うん、いいよ」


灯が頷く。


『せーの……!』


声を合わせて同時に折り畳まれていたおみくじを開いた。

僕のおみくじには……吉と書かれている。

これって良い方なのかな……?

首を傾げながらその下に綴られていた細かな運勢へと視線を落とした。

一番気になっていたのは恋愛運に書かれてある言葉。


「えっと……“危機迫るが乗り越えた先に進展あり”……?」


なにそれ……危機?

何が起こるっていうの?

不安を煽るような言葉に、おみくじを握る手に力がこもる。


「ん?どうしたの千冬……何か変な事書いてあった?」


灯が隣からひょこっと顔を出して、僕のおみくじを見た。


「見てよ灯、ほらここ!不穏な事書いてない……!?」


僕が恋愛運について書かれている箇所を指差す。

それを読むなり、灯は「そんな事か」と小さく笑った。