僕らフラれた受け同士


待ち合わせたのは歩いて20分の所にある神社。

僕が到着したころには、そこはもう参拝客でごった返していた。


「千冬!こっち!」


名前を呼ばれて辺りを見回す。

神社の鳥居の下に連なった階段に、灯が立っていた。


「おはよう、灯。人多いねー」


「うん、初詣だからね……ほら、ボクらも行こう」


そう言って自然な動作で僕の手を握る灯が、こちらを振り返って笑った。


「……ボクがはぐれないように、千冬がしっかり繋いでて?」


ドクンと胸が高鳴る。

先導して人混みをかき分けて進んでくれる背中にピッタリとくっつきながら、灯の手をにぎっていた。

鳥居をくぐり賑やかな境内を歩く。

参拝の列に並んでいる間、灯と話して時間を潰し小一時間。

ようやく僕達の番が回ってきた。

賽銭箱にお金を投げ入れて、二礼二拍手を済ませたあと胸の前で手を合わせる。

今年も灯と仲良く過ごせますように。

早々に願い事をして最後の一礼をして、灯と二人で足早に列を抜けた。


「灯は何をお願いした?」


気になって、そう聞いてみる。

だけど灯は人差し指を口元にあてて「内緒」と呟き、願いの内容は教えてくれなかった。

教えてくれたら嬉しかったけど……仕方ないか。

僕も言えないし……。

灯の願い事が叶うといいな。


「あっ」


ふと、灯が何かを見つけたように声を上げた。