僕らフラれた受け同士


勉強机の上、アクセサリースタンドの一番目立つ場所に飾ってあるチェーン付きのペアリングを見て……ようやく決心をした。


「あ、あのさ……また一緒に――くしゅっ!!」


自分から発せられた盛大なくしゃみの音。

完全に言葉を遮るそれに、一瞬の沈黙が流れた。

あぁもう……なんでよりにもよって今出るかな。

せめて髪、乾かしておけばよかった。


『大丈夫?風邪とかひかないでよ?』


「だ、大丈夫、大丈――くっしゅん!!」


『全く安心できないんだけど…今日は暖かくして、もう寝た方が良いんじゃない?寒い中歩き回ったし、疲れてるでしょ』


「う……うん、そうする」


渋々と返事をして窓とカーテンを閉める。

せっかく勇気を出して“次”に繋げようとしてたのに……これじゃあ。

思った通り、僕のくしゃみをきっかけに会話の流れは終わりへと向かっていった。


『それじゃあ、おやすみ。またね千冬』


「あ……うん、おやすみ……灯」


それから少しして通話が切れた。

しばらく暗くなった画面を眺めたあと、僕はスマホを片手にベッドへと突っ伏す。


「もう少し話したかったな……」


未練の言葉を呟いて、髪を乾かしに一階の洗面所へ向かう。

ドライヤーの電源を入れながら、考える事は一つだった。

次は、いつ灯と遊べるだろう。

洗面所の鏡に映った自分の顔を見て、小さくため息を吐いた。

***