僕らフラれた受け同士


恋人にフラれた事。

知らない間に彼女を作っていた事。

灯君と、恋人の事。

二人を見ていたら自分の事のように悲しくなってしまった事。

そして__。


「__っていうか何だよ!“彼女できたから別れよう”って!じゃあ何で僕とつき合ってたんだよマジであり得ないアイツ!存在自体あり得ない!!」


誰もいない教室に僕の怒声が響き渡る。

一通り話し終えた僕は、今になってフツフツとわき上がってきた怒りの感情を灯君にぶつけていた。

閉められていた窓を開けて外に向かって叫ぶ。

目の前をトンボが飛んでいった。


「バカヤロー!!こっちだってすぐに新しい恋人作ってやる!お前なんて彼女にすぐ捨てられてしまえバーカ!バーカ!あほんだらーーー!!」


全力の叫びは走り込みをしていた陸上部の視線を釘付けにしていた。

ぜぇぜぇと息を吐きながら窓を閉める。

言いたい事を言い切って、何だかスッキリした。


「ふぅ…ごめん、僕の話ばっかり」


僕はこっちを見てポカンと口を開けている灯君に視線を向ける。


「灯君の話も聞かせてよ!言うとけっこうスッキリするから!」


そう言って笑うと灯君はハッとしたように瞬きをして首を振った。


「灯でいいよ。隣の教室なら同じ二年生でしょ」


「いいの!?ありがとう」


「キミの名前は?」


そう言われて初めて気づく。