僕らフラれた受け同士


そこまで言って、灯はようやく席に座る。

そして未だメッセージカードを持ったまま感動していた僕を、上目遣いに見つめた。


「ね、千冬。その箱の中、開けてみて?」


カードを紙袋の中に丁寧に戻して、箱を取り出す。

マットな質感の白いそれを開けると…中には深紅の台座の上、キラリと光るシルバーリングがあった。

それを見て僕は思わず息をのむ。


「こっ…こんな高そうな物もらえないって!」


「安物だから安心してよ…それでさ、何か気づかない?」


「え…」


キョトンとする僕に、灯が指先を動かした。

トントン、と自身の胸元を指差す灯。

そこに光る物がある、と…ようやく気がつく。

それは最初からそこにあったはずのシルバーのネックレス。

でも、待ち合わせの時に見た物と何か違う。

さっきまで灯のネックレスに、リングなんて通ってたっけ?

それも箱の中にあったリングとそっくりの…。


「……もしかして、これって……ペ、ペア…」


僕は箱のリングと灯の胸で輝くリングを見比べて…目を丸くしながら声を詰まらせる。

灯が「正解」と胸元のリングをつついた。


「それ、ペアリングなんだよね。一緒にチェーンも付いてるやつ選んだ。…これなら学校でも制服の下で付けられるって店員さんから教わって」


何それ、お揃いって事…!?

サプライズプレゼントからのペアリングという急展開に頭の処理が追いつかない。