灯が帰ってきたのは、それからしばらくしてからの事。
「千冬ごめん、待たせちゃって」
駆け寄る灯の息は少し上がっている。
トイレにでも行ってたのかな、と思ったけどそれはすぐに違うと気づいた。
「全然いいよ。何か欲しい物でもあったの?」
赤と緑のクリスマスカラーをした可愛い紙袋。
その持ち手のヒモ部分を握った灯が、僅かに乱れた呼吸のまま紙袋を僕へと差し出した。
反射的に受け取ってしまったそれを小首を傾げて見つめる。
「えっと…これって?」
「……中、見てみて」
そう言われて素直に紙袋の中を探る。
そこには手のひらサイズの正方形をした箱と、カードが入っていた。
黒いメッセージカードに書かれた、白い手書きの文字へ視線を向ける。
『メリークリスマス、それと遅くなったけど誕生日おめでとう』
彼らしい、読みやすく整った字体で書かれたシンプルな言葉。
その下には、灯の電話番号と有名なメッセージアプリのIDまで記載されていた。
「えっ、え…待ってこれ…まさかプレゼント!?僕に!?」
驚きを隠せず、プレゼントと灯の顔を交互に見る。
灯は照れくさそうに髪の毛をかいた。
「急いで探したから千冬が気に入るかは分からないけど…」
「電話番号とかIDとかも…いいの?」
「うん、そういえばまだ連絡先すら交換してなかったなって思って…書き足した」

