僕らフラれた受け同士


「へ…?あ、いや…気を遣わせるのも悪いし、自分から言うのも変でしょ…?だから別にいいかな~って」


「……もっと早く聞かなくてごめん、でも…教えてくれたらお祝いしたのに」


その絞り出した悔しそうな声に、灯の気持ちが込められているのが分かった。

そうか…僕の誕生日、お祝いしようとしてくれてたんだね。

別に怒ってないし、祝おうとしてくれた灯の気持ち…もうそれだけで嬉しいんだけどな。

灯って本当に律儀で、優しい。


「良いんだよ!今日一緒に過ごしてくれてるだけで充分満足だし!ほら、シチュー冷えるよ?」


「……」


紙皿に入ったシチューをスプーンですくい取り、灯に差し出す。

灯は渋々といった様子でイスに座り直し、口を開いた。

言葉をいくつか交わしながら、やがて食べ終わった紙皿を持って灯が席を立つ。


「捨ててくるから千冬はここで待ってて」


「うん、ありがとう」


去って行く灯の背を見送り、僕は再びイルミネーションを眺めた。


「……灯が隣にいてくれるだけで、もう最高のプレゼントだよ」


誰にも聞こえない呟きと同時に、白い息が空へと消えていった。