僕達の座る、露店の外に設置されたこのテラス席。
ここからはクリスマスマーケットの風景がよく見渡せた。
アーチ状の光り輝くトンネル。
暗くなってきた世界を照らす、クリスマスツリーの電飾。
街路樹を飾る無数のライトがキラキラとその存在をアピールしていた。
こうした物が見られるのは冬だけ。
それを今年は灯と一緒に見られている。
そう思うと、目の前の光景がますます特別な物に思えて…僕は夢見心地で呟いた。
「僕、冬って好きなんだよね。冷たい空気もヒラヒラ~って落ちる雪も…イルミネーションも」
「うん、分かる気がする。神秘的っていうのかな」
「そうそう!あとは…単純に僕が冬に産まれたっていうのも理由の一つかも」
「そうなんだ…そういえば千冬って誕生日いつなの?1月?それとも2月?」
灯の言葉に僕はニコリと反す。
「ううん、12月の6日だけど――」
そう言った途端、灯が勢いよく音を立ててイスから立ち上がった。
その顔は“あり得ない”というようにこちらを凝集している。
え…え、何事?
シチュー片手にあたふたする僕へ、灯は焦ったような声を出した。
「ちょ…過ぎてるじゃん誕生日!なんで言ってくれなかったの!」

