僕らフラれた受け同士


それから一ヶ月も経てば辺りはすっかり冬の装いへと変わっていく。

それが12月25日…クリスマス当日ともなればなおさら賑やかさが増すというものだ。

夜になるのが早い冬の夕方、暗い空。

最寄り駅前の通りは露店が軒を連ねて、家族連れや恋人同士が身を寄せ合いクリスマスマーケットを楽しんでいる。


「時間より少し早く着いちゃったな…」


白い息を吐きながら赤いチェック柄のマフラーに顔を埋める。

二人で事前に決めておいた時間より、30分も早く到着してしまった。

灯は…さすがにまだ来てないか。


「…張り切りすぎてない…よね?」


待ち合わせ場所に選んだ大きななクリスマスツリーの前で、改めて自分の服を凝視する。

白いハイネックのケーブルニットに、ベージュのコーデュロイ。

その上に羽織ったブラウンのコートは父さんの物を勝手に拝借してきた。

ちなみにマフラーは「寒いから」と母さんから強制的に巻かれた物。

おかげで首元は暖かいけれど…子供っぽくなっていないかが心配だ。


「はぁ…寒…」


キラキラと輝くツリーのオーナメントを見上げながら冷え切った手を擦り合わせる。

やっぱりもう少し遅く来ても良かったなぁ。

想像していたより寒い屋外に一人…周りの人達の楽しげな声に少しだけ心細くなった時。

後ろから誰かの手が伸びて、僕の視界を遮った。