僕らフラれた受け同士


それからは文化祭の準備で本格的に忙しくなり、僕は灯をご飯に誘う事すらできずに過ごしている。

あの日、灯が“埋め合わせをする”って言ってくれていたからてっきり彼の方からご飯に誘ってくれるのかな?と思っていたのに。

そんな気配も全くない。

そしてそれは…二度目の文化祭が始まっても変わらずだった。

オバケ屋敷をする事になった僕のクラス。

その呼び込み係を任された僕は白い着物姿で案内看板を持ちながら、灯のクラスを覗く。

彼のクラスは喫茶店…だったはず。

ちょっとでもいいから、灯の元気な姿見たいな。

そう思ったけど…結局彼の給仕は見られないまま終わった。

休憩中だったのかな…運が悪い。

僕は肩を落としてオバケ屋敷へと戻る。

それから時間が空く度に灯の姿を探していたけれど…結局、二日間の文化祭が終わるまで一度も僕らは会わずに終わった。

それから何となくタイミングが掴めなくて…。

再び会うようになったのは冬支度の始まった11月の事だった。


「千冬、一緒にご飯食べよう」


「えっ…灯?」


教室の開けっ放しだったドアから、灯がひょっこりと顔を出している。

まさか灯の方から誘ってくれるなんて…。

僕はカバンからお弁当箱の入った包みを持って、大慌てで席を立った。

二週間ぶりにまともに顔を見られるのが、すごく嬉しい。