僕らフラれた受け同士


灯の瞳がジッと僕の指先を見つめた。

そこにはポテトをつまんだ時に付いたのだろう、白い塩の粒がまばらに残っている。

彼の視線の理由を“もっと食べたい”のでは?と受け取った僕は、再びポテトに手を伸ばした。

ハンバーガー店で買うやつも良いけど、こういう場所のポテトもけっこう美味しいよね、分かる。

今度は付属の赤くツヤのあるケチャップを先端にたっぷりとつけて。


「はい、あーん」


そう言って灯の口元にポテトを運ぶと、彼はぎこちなくそれに噛みついた。

もう一度ポテトをつまみ、食べさせる。

もう一度。

もう一回。

差し出されるポテトを律儀にもぐもぐと食べ進めていくその姿はまるで小動物のよう。

何だか餌付けしてるみたい。

可愛いなぁ。

僕のそんな心の声が聞こえたのか…それとも勘が働いたのか、灯が不服そうに声を出した。


「ねえ、これさ…ボクばっかり気恥ずかしくて不公平じゃない?千冬も食べてよ」


「え?」


「“食べさせ合う”んだろ?一方的なのはナシだよ」


灯がポテトに手を伸ばす。

彼の言い分に、それもそうかと僕は納得した。


「はい、あーんして?千冬」


その細い指先がカゴの中の一つを選び取り、僕の口元に近づいた。