灯はもっと優しい恋人を作って、僕も次こそは大人で余裕のある浮気しないマトモな恋人を__。
「千冬、決まった?ボクはお茶にしようかな」
「えっ…?」
「いや、頼むやつの話なんだけど…ボーッとしてどうしたの?」
「あ…いや、ううん…別に!」
次の恋人について考えてた、なんて言えなくてブンブンと手を振る。
何考えてるんだろう、僕。
今は灯の“スキンシップ”という課題に集中しないと。
自分から言いだした事だろ。
慌ててメニュー表へ視線を向ける。
「えーっと、じゃあ僕はポテトと__」
そう言って顔を上げる。
目の前に、灯の顔があった。
吸い込まれそうなキレイな目。
「っ…」
突然の事に体が固まり、思わずノドの奥が鳴る。
灯の手が、僕の前髪に触れ髪をかき分ける。
その仕草にきょとんとまばたきをしていると…。
コツン__。
灯のおでこと、僕のおでこがくっついた。
優しい人肌の熱が伝わる。
「…うん、熱はないかな」
そんな言葉と共に、熱が離れていった。
え…?
今、僕は何をされてたの?
「えっと、灯?その…」
「ん、どうしたの?気分とか悪い?」
「いや別に…元気だけど」
灯はしばらく僕を見て、安心したように笑った。
「なら良かった。さっきから様子おかしいから失恋のショックで知恵熱でも出たのかと思った。それか熱中症とか」
「あ…いやそれは、大丈夫…だけ、ど」
心臓の音がうるさい。

