104Hzから愛を込めて

——ごめん

 佐柳が寂しそうな顔で謝る。
 違う、そんな顔させたい訳じゃない。
 謝らせたい訳じゃないのに。

——朝野の不幸になりたくない

 なるわけないじゃん。
 佐柳がいるのに、不幸になんてなんないよ。いない方がずっとずっと不幸なのに。
 そう言いたいのに、声が出ない。喉が詰まって、息すらも上手くできない。

 涙を堪えようと瞬きをしたその一瞬で、佐柳の姿がなくなった。
 一人で取り残されたワンルームのアパート。ラグの上に座り込んで、動けなかった。