タルトをひとくち食べさせて

キーン、コーン、カーン、コーン…

「ふぁぁぁぁ…」

ねっむい。
朝礼始まるまであと、…30分はあるな。
ひと眠りしちゃうかな。
まあ一限目から数学だし、眠ったままでも良いんだけど。

昨日本当は熟睡する予定だったんだけど、
全然眠れなかった。
というのも、活動記録用のノートを書いてる時、
“彼を”思い出しては手が止まっていた。
そうこうしているうちに深夜1時。
絶賛寝不足中。
でもまぁ、
「楽しかったなぁ…」
何組なんだろ?
同じクラスに早瀬くんっていたっけな?


「、くん…いつきくん!いーつーきーくーん!」
「っ!?え?早瀬くん!?」

目覚めた途端、目の前に出力されたイケメン顔に処理落ちした僕の脳は、反射的に目を逸らす。

「あ、起きた。おはよ!朝練終わったから来ちゃった」

昨日とは違い制服姿の彼は、
もう本当に恋愛漫画の世界の登場人物みたいなオーラがあった。

「え、えと…お、おはよう…は、早瀬くんなんで…」
「なんでって、朝の挨拶?」

昨日初めましてで、数十分話しただけなのに?!

「ねぇねぇ、今日も作ったりするの?タルトとかさ〜」
「え、いや…今日は、休み。」
「え〜!そうなのかぁ。残念。」

なんだスイーツ目当てか。そうだよな。うん。
…なんかちょっと悔しい自分が…

「まぁいいや!今日休みならちょうど良い。」
「え、良いって何が…」
「いやいや!こっちの話!じゃあまた放課後!迎えに来るから!ここで待っててね〜!」

僕に手を振りながら早瀬くんは教室を後にした。

違うクラスなんだ。