【短】追いついて、隣で。








「澄水、おはよう!」


 早朝の交差点、瑞稀が澄水をめがけて走ってくる。


「おはよう。早いね」

「そっちのほうが早いじゃん!」

「もし瑞稀が早く来たら、遠回りして学校行こうかなって思ってた」

「いいねそれ!」


 普段の道をぐるりと回って、あのときの河川敷に差し掛かる。

 昔と同じ場所。

 昔と同じナップサック。

 でも今は。


「昨日の借り、今日返す!」

「俺より瑞稀のほうが何倍も負けず嫌いだよね」

「じゃあそういうことで! 絶対勝つ!」

「はいはい」


 瑞稀は無邪気に笑って、澄水はあきれながらも穏やかな表情をしている。


 ほんの少しだけ目が合って、それから示し合わせたかのようにお互い手を伸ばし――